寄り添うこと・・・(22)

~リハビリテーションの卒業?!~

介護サービスの報酬で通所リハビリは・・・

2015年度の介護報酬の改定は、全体で2.27%の引き下げでした。介護はもうかっていると思っている方も多くおられると思いますが、とりわけ引き下げ幅の大きいデイサービス(-9%)や小規模多機能(-6.1%)の運営は大変です。一方で報酬が上がったサービスもありました。それが通所リハビリです(+4.4%)。リハビリ部門においては生活期リビリテーション(ICF*)の視点を重視し、一定の期間を定めたリハビリ(卒業)を打ち出しました。

生活期リハビリテーション(ICF)でどう変わるの・・・

みなさんは、訪問リハビリや通所リハビリというサービスを利用したことはありますか?デイサービスとの違いは分かりますか?私たちケアマネジャーが通所リハビリの利用をすすめるときは、下肢の筋力低下が著しく、転倒を繰り返すようになった方、具体的に転倒して骨折した方等を対象としていました。しかしICFの視点では、以下のように変化します。

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生活行為向上リハビリテーションで卒業へ・・・

生活機能の維持・向上を図るために、とりわけ活動と参加に焦点を当てた評価体系を導入しました。それが訪問と通所を組み合わせた生活行為向上リハビリテーションで、概ね6か月間の利用を限度としています。通所訓練と社会参加に重きを置いた訓練を計画的に行うことで、活動と社会における役割や生きがいの早期獲得を目指すというものです。開始月から3か月目までは月2000単位、6か月目までは1000単位という大きな加算がつけられます。
このように通所リハビリは、デイサービスとは明確に違うサービスとして位置付けられ、漫然とリハビリを続けることは難しくなりそうです。生活上の課題を達成することは素晴らしい事です。しかし、加算方式で期間を定めて評価する方法に違和感を感じるのはケアマネジャーだけではないはずです。

*ICFとは:International Classification of Functioning, Disability and Health(国際生活機能分類)の略です。「ICF」は2001 年に制定され、正式名称は「生活機能・障害・健康の国際分類」といいます。障害に関することや、健康に関することなどを、約1,500 の項目(正確には1424 項目)に分類し、それらが複雑に絡み合って相互作用していると考えたものです。