訪問看護に花は咲く2

今回は京都の洛北にお住まいのHさんご夫婦のお話です。
Hさんは、奥さんと二人暮らし。COPDという呼吸器の病気で、気管切開をしておられます。ご自分でトイレまで位なら何とか歩けますが、少しの動作でも息が苦しくなったり、咳や痰が出て、首の付け根に開けた皮膚から気管までの通路から吸引チューブを挿入して、痰を吸引したりしないといけません。
食事は今はほとんど口から食べることが出来るようになりましたが、今でも足らない水分などは胃瘻(いろう)を使って入れておられます。胃瘻とは、お腹から胃に直接チューブを通して栄養などを送り込む方法です。奥さんは夜中に起きて、痰の吸引をしたり、昼間も食事の世話をしたりと大変です。
 でも、ここの奥さんはパワフルです。とても80歳を過ぎておられるとは思えないお若さです。
私達が行くと、いつもにこやかに迎えて頂いています。時にはご主人の前でも愚痴をこぼされますが、すぐに笑いに替えて、前向きな姿勢に・・・
以前、民謡サークルで鍛えた喉で、ご主人のリハビリとして歌っている「ボケない小唄」「ボケます小唄」を一緒に歌います。最初は声が続かないから歌えないと言っておられたご主人も、奥さんのリードで歌うようになられました。最近は、以前の「おはこ」だった演歌なども歌っておられます。私達ナースは二人の応援団です。これからも二人仲良く、暮らして欲しいと思っています。

*Hさんは要介護5 週3日のデイサービスと週1回の訪問看護を受けておられます。訪問看護では、病状観察や気管切開や胃瘻などの点検や周囲の清拭やベッドサイドでの運動や歌を歌うリハビリをしています。