寄り添うこと・・・(30)

um3三寒四温で、徐々にではありますが春に近づいているように思います。歩いていると背中はぽかぽか、青い空が目に染みる季節です。
私たちケアマネジャーはたえず経営の厳しさと対峙している職場ですが、昨年の介護報酬の改定のあおりを受け、通所介護(デイサービス)事業所の経営はとりわけ厳しさが増しています。併設しているデイサービスも他人事ではありません。

私たちの事業所は今年の1月、北区にある介護事業所を訪問しました。訪問先の事業所からは共通して「収益が下がって経営が大変」「募集しても人も集まらず、運営するのが大変」「手厚い介護をしたいが、人が足らず介護の質が低下している」と苦渋に満ちた発言が多くありました。収益が伸びないために、処遇も抜本的に改善出来ず、低い給料できつい仕事の為か、介護職員も募集をかけても応募がない実態が明らかになりました。

また入所施設では、「利用料の2割負担だけではなく、(補足給付の厳格化で)部屋代や食費が上がり、利用者さんが大変な状況になっている」と言われていました。
お金のあるなしで介護保険のサービス利用を控えなければならない現実や、介護の現場で一生懸命働いている職員の生活苦、十分な介護が出来ない悩みは深刻です。
川崎市で起きた高齢者施設での痛ましい事件は許されるものではありません。しかし高齢者の方々の暮らしを支える介護は尊い仕事であり、なくてはならないものです。介護を受けている方にも、介護を提供しているものにも、十分な保障がされる社会をつくっていかなければならないと感じます。
私たち介護現場にも、暖かな春の日差しが届く日を願って、皆さんと一緒に声をあげていきたいと思います。