寄り添うこと・・・(44)

「介護保険改定で何が話し合われている?」

3年に1度行われる介護保険改定ですが、2018年は医療報酬と同時改定の為、大規模改定になるといわれています。特にポイントとあげられていたのは、要介護1、要介護2の軽度要介護者に対する訪問介護の「生活援助」サービスを介護保険から切リ離すという案です。2016年度改定では含まれることはなかったのですが、今回の議論では話し合われています。

また、先に介護保険から切り離されることになった要支援の方の訪問介護と通所介護は、国のスケジュール通りに市町村サービスに移行していません。要支援者対象の訪問介護や通所介護から撤退した介護事業者も多く、サービスが不足している地域も多いようです。ここで更に要介護者の「生活援助」まで切り離すことになれば混乱は益々ひどくなるのは明らかです。そのため、今回の改定では見送られましたが、先送りにされただけで今後も議論されていくこととなります。

訪問介護のヘルパーによる「生活援助」とは、ただ単に掃除、洗濯、調理などの生活行為を代行しているわけではありません。訪問時の挨拶から、利用者の体調の変化など観察し、掃除をしながら生活状況を把握、調理の間に話などして本人の心身の状況把握に努め、専門性をもって本人の状態や生活について評価するという援助を行っています。単に家事代行サービスで代替できるものではないのです。訪問介護利用により何とか生活できている方も多いこと、重度化を防ぐという観点からも必要なサービスだと思います。

介護保険改悪について、利用者、利用者家族の実態を明らかにして生活がどう脅かされているのか声を上げていく必要があると思います。