訪問看護に花は咲く76

令和2年が明けました。今年の冬は暖冬で雪が降らず、スキー場は大変そうですが、バイクで訪問看護をする私達にとってはうれしいことです。

しかし、この季節になると気になるのは冬に流行する感染症です。世間では年末からインフルエンザが猛威を振るっていましたが、我が家は年末から孫や子供が感染性胃腸炎になり、バタバタした年明けになりました。ちょうど民医連の月刊誌「いつでも元気」に、冬場の下痢についての記事が載っており、抜粋させてもらいながらまとめてみました。

冬場にかけて流行する下痢症について。原因別には大きくは2つに分かれます。まず細菌性によるもの(キャンピロバクタ―(汚染された鶏肉に付いていることが多い)、病原性大腸炎(O157等、サルモネラ)などがあります。これらが腸に感染する事により下痢が出現します。もう1つはウィルスによるもので、ノロウィルスやロタウィルスなどが有名です。細菌とウィルスは生物としての特性が違い、例えば細菌には抗生物質が効きますが、ウィルスには全く効きません。どちらにしても下痢というのは、細菌やウィルスなど小さな微生物が人間の腸に感染することで起こるものです。

また、よく耳にするのが食中毒です。食中毒も細菌性とウィルス性の2種類あり、食事についていた微生物を飲み込むことにより下痢の症状が出ます。感染しても何ともない人もいますが、多くは下痢 腹痛 吐き気 血便 発熱など原因により違いがあります。

細菌性の下痢は冬場も油断できません。血便や発熱が長引き重症化する場合があるため、特にご高齢の方や重病者には注意が必要です。

一方ノロウィルスやロタウィルスなどによるウィルス性は激しい下痢症状はきたすものの、

血便や発熱は少なく2~3日で治ることがほとんどです。ただし、とりわけノロウィルスは感染力が強いので完全に予防することが難しいと言われています。

そこで気になるのは予防ですが、標準的な予防策としては下図にあるように感染性胃腸炎の予防4原則である原因となる細菌ウィルスを「持ち込まない」「つけない」「拡げない」「やっつける」を守ればいいのですが、人間が集団で生きている以上は完全に感染症は防ぎきれないのも事実です。

医療に携わる者としては、特に感染を拡げないことが大切だと思います。頑張って予防策を行っていてもかかってしまった場合は、ゆっくり休養することが大切です。

以上冬場に流行する感染性胃腸炎について簡単に記載しましたが、少し知っていれば予防や判断に役立つのではないでしょうか?

これからも健康に留意し寒さを乗り切りましょう。