寄り添うこと・・・(79)

「認知症保険」大ヒット!?

生命保険や損害保険各社が展開する、認知症対応を前面に打ち出した保険が異例のヒット商品となっているそうです。ちなみに男性よりも女性の方が長生きなので、女性の方が保険料はお高めとか…。以下、少し古いですが2017/8/5読売新聞の記事より一部編集して引用します。

認知症の家族を抱える家庭の費用負担は深刻だ。厚生労働省の認知症患者の実態調査を基にした推計では、認知症にかかっていない人の在宅介護に要する年間費用は約52万円なのに対し、認知症介護ではその2倍以上の約110万円に上るという。
そんな中、2016年に認知症特化型保険を発売したT生命保険の「認知症治療保険」は、発売から約1年間で23万件の契約を獲得、異例の大ヒットになったという。
…脳血管性やアルツハイマー型などの認知症と医師の確定診断がされると最大100万円の認知症診断保険金を受け取れ、「時間」「場所」「人物」のいずれかを認識できない状態が一定期間継続した場合、300万円が一時金として支給される…

認知症保険等が注目されたきっかけは、皆さんもご記憶にあると思いますが2007年に起こったJR東海認知症事件ではなかったかと思います。認知症に特化した保険がこれだけヒットするのは、自分や家族が認知症になった場合の金銭的な不安の表れと言えるのではないでしょうか。認知症になっても安心して住み続けられる地域づくりを目指し、私たち介護事業所も微力ながら日々仕事に、活動に取り組んでいます。けれど本来であればこのような民間の認知症保険が大ヒットするような世の中ではなく、私たちが高い保険料を支払い続けている公的保険で、金銭的な負担に怯えることなく老後を迎えられる制度作りこそが求められるべきではないでしょうか。