訪問看護に花は咲く113
突然ですが、毎日ご家族の介護を続けておられる皆様、本当にお疲れ様です。
仕事を持ちながら、あるいはお身内などと協力しながら、お一人で担っておられる方、またそれら複数の状況が重なっている方など、実情は様々だと思います。程度や受け止め方に違いはあれど、介護には制約や責任が伴い、時には心身ともに疲労してしまう重労働であり、それに携わっておられる方々に心から頭が下がります。
私事ですが、今年1月に母親が満80歳を迎えました。勉強と労働をしながら資格を得て、夫婦共働きで4人の子を育て、現在は高血圧や難聴はあるものの、認知症はなく、ほぼ毎日プール通いや通信教育を受けるなど、元気に暮らしています。
数年前、訪問看護師として関わってきた、自分と同年代のあるご家族(長女様)は、介護しておられる親御さん(お父様)も自分の親と同年代でした。そのご家族にはお子さんが3人おられ、末っ子はまだ義務教育が終わっておらず、家事、育児のほかに介護の負担まで重くのしかかっていました。しばらく受け持ちとして毎週訪問していましたが、親御さんは徐々に認知症が進み、その対応に苦慮したご家族がどんどん疲弊していく姿を目の当たりにして、同年代で同じ子育て中という事もあり、とても他人事とは思えませんでした。もし自分がこのご家族の立場だったら、とても両立などできない、親にもこんなに優しく接することができないと感じたと同時に、親が元気で自立して過ごしているということに感謝してしまいました。自分にもいつかは親を介護する時が来るとは思いますが、このご家族からはたくさんの大切なことを学ばせてもらったと思います。
まだ人生経験も浅く、たいした苦労もしていない自分が介護の相談や指導に当たるのはおこがましく、頼りにならないことだと思います。それどころか、逆に教えていただくことの方が多いかもしれません。いつも看護師をあたたかく迎えて下さりありがとうございます。今も療養や介護に奮闘されている皆様はどうか頑張らないで、お一人で抱え込んだりしないで、愚痴だけでも良いので、訪問看護師にこぼしてみてくださいね。