寄り添うこと・・・(10)

ケアマネの仕事をして良かった!

Mさんと出会ったのは入院先の病院でした。初対面の印象は、年齢は70代と若々しく、自分の思いはしっかりと伝えることができる方ということでした。病状も安定したことから、Mさんの希望していた在宅生活の支援のサポートをすることになりました。
待ちに待った自宅での生活でしたが、Mさんは毎日苛々していて、どのサービスに対しても不満の訴えがありました。私は、Mさんが今何に苛々しているのか、どのような生活を望んでいるのか、将来どうありたいか、Mさんの思いをもう一度しっかりと聞くことにしました。Mさんは、現在動けない状態に対し苛立っておられ、以前のように友人と外出をしたり、温泉に行ったり、いずれは里帰りがしたいという思いがありました。再度スタッフ全員と話し合い、Mさんの目標に向けたサービスの取り組みを行いました。

訪問リハビリ⇒まずはベッド上で足の力をつける
訪問入浴⇒ゆったりと湯につかることで日ごろのストレスを癒す
訪問看護⇒体を清拭し、マッサージで両足の浮腫を改善する
訪問介護⇒迅速な動きで本人の意向に沿った生活全般の支援

002そして、2年経った現在、Mさんは、自宅内を歩行できるようになり、デイケアへも週に1回行けるほどになりました。デイケアでも、友達ができ、活気に満ち溢れています。
医療、介護のサポートにより、本人の望む在宅生活が実現しました。今後もMさんの新たな目標に向かって、スタッフ全員でサポートを行っていきます。ケアマネジャーだけでは、到底できないことが、他職種が一丸となって取り組むことにより実現できます。これからもMさんの思いに寄り添いながらサポートしていきたいと思います。私にとって、チームで一つの目標に向かって連携し協力しあい、利用者の方が、少しずつでも目標が達成していけることが、「ケアマネの仕事をしていてよかった」と思える瞬間です。