訪問看護に花は咲く13

201408今回ご紹介するのは90代の女性Nさんです。Nさんは娘さんと二人暮らしです。由緒あるお寺の娘さんとして育ちました。初めてお会いした時はとても高貴な感じの方で話にくい方なのかな?と思っていました。
ヘルパーさんと一緒に清拭、洗髪、足浴等のケアをさせて頂いています。いつも玄関まで行くとヘルパーさんとNさん娘さんの笑い声が聞こえてきます。「今日はダイマルまで行ってサンダル買ってきたの、タクシーで行ってすぐ帰って来たのに、あんた私をほっといてどこ行ってたんや、悪い娘やろ」そこからいつもの娘さんとNさんの漫才みたいなやりとりが始まります。Nさんは現在終末期です。酸素をして腹水が溜まって、心臓の機能もかなり弱っておりいつどうなってもおかしくない状態です。娘さんもそれをよく理解されており最期まで自宅で看取る覚悟でおられます。Nさんは、今とてもしんどい状態で「眠れない、お腹が痛い、息苦しい」などの訴えが常にあります。それでも笑顔で冗談を言って私達を笑わせてくれようとして下さいます。娘さんも殆んど休めていない状況で座って居眠りしてテーブルで頭を打つ事が何度もあったそうです。Nさんは「昔はよくもてた、先生にもひいきされていた。今からでも若い男の人つくろうかしら」と笑って話されます。お若い頃の写真を見せてもらいましたが本当にべっぴんさんです。娘さんにとっても自慢のお母さんだと思います。

201408-1私達看護師は清拭などの他に背中のマッサージをしています。それをとても喜んでくれていつも「気持ちいい、ウエストが細くなった気がする」とおっしゃって下さいます。これからもお二人が笑顔で過ごせるよう、気持ちいい看護を提供していきたいとおもっています。若かりしときのNさんです。