寄り添うこと・・・(12)

母の介護から想うこと

2014083休みを利用して時々母宅に泊まることにしている。心筋梗塞・腰椎圧迫骨折等でこの数年入退院・施設入所等を繰り返す91歳独居、ご他聞にもれない経緯での要介護者である。

若干の介護経験を活かすべく張り切り気味の私であるが・・母は朝は想像以上の早起き!朝寝室を全開され「はよ起き~や~」と。私は飛び起きてまず台所へ・・・テーブルの上にはトースト・サラダ&ウィンナー・コーヒー・等々整然と並べられている。何かしら体裁が悪く、私は20センチほど身を縮めそれらを胃に放り込む始末である。“ならば掃除を”と立とうとすると、母はすかさず「ここはもう済ましたよ」とTVを見ながら澄まして言う。何とか母の出来ない所を掃除して、私は面目を保っているのであるが—–

こんな調子で昼食・夕食が準備される。多種の野菜と少量のたんぱく質等々豆まめしく仕度、私は昔懐かしい里の味を再度その傍で確認しながら手伝っている。勿論食事と食事の間のおやつや果物も欠かさず用意し、私に促してくれる。“邪魔くさい“の言葉は彼女の辞書にはないようだ。そしてお茶碗に米粒を一粒でも残そうものなら、「だらしない!」と一喝され、私はそこにお茶を注いで綺麗にさらえている始末である。白米がどうしても残ってしまい食べられなくなると、向かいの畑に置いておき、次の日にはなくなっている状況に「鳥が食べたな~」と、母は満足げにつぶやく。

このように、戦前・戦争・戦後を生きた高齢者の一人である母から、食に対する尊い想いを改めて学んでいる。飽食の時代を生き、物を捨てることに戸惑いがなく、スーパーの出来合い物やコンビに弁当等不規則で偏った食事に無頓着になりがちな生活習慣を見直し、今後の食生活に活かせよう!!と、私は弱腰ながら決心?しています。