寄り添うこと・・・(13)

「自分のペースでぼちぼち」いこう

13-1Aさんは自宅で転倒してから、一人で歩けなくなりました。昼は妻が車椅子でトイレ誘導し、夜間は尿瓶で介助をするようになりました。睡眠不足で疲れが増してきます。妻と相談し、ショートステイでポータブルトイレの練習を行うことになりました。しかし、今までにないリハビリに混乱し、訓練を拒否することもありました。退所後、ポータブルトイレは殆ど使用されていませんでした。今度は、デイサービスでポータブルトイレの練習を拒否されました。本人の気持ちを聞くために改めて訪問しました。ベッド柵を持ち、立ち上がりができることをみせながら、「(トイレに)まだ移れん・・・」「すぐには、できん。ぼちぼち(リハビリを)やっていく。」と言われました。少しずつですが、新しいリハビリに対する戸惑いや、リハビリは自分のペースで行ないたいという思いを聞くことができ、ポータブルトイレの練習を続けると約束してくれました。振りかえってみるとリハビリの必要性が優先し、本人の気持ちを十分に理解できていませんでした。本人の思いに寄り添い、前向きにリハビリへ取り組むことができるような援助を大切にしなければいけないと感じています。
その後、デイサービスへ近況をお尋ねしました。「リハビリに対して今までより積極的に取り組まれています。」と。これからも「自分のペースでぼちぼち」いきましょう。