寄り添うこと・・・(19)

~国の介護保険の〝要支援者外し〟にNO!~

4月から始まる介護保険の改悪。
その一つが「要支援1・2」の訪問介護と通所介護のサービスが介護保険では受けられなくなる事です。
これらのサービスは市町村が新たに実施する総合事業になります。自治体の総合事業は15年度から17年度にかけて始まりますが、15年度から実施する自治体は全国でもわずかでまだまだ準備ができていません。

まだ受け皿がないので、4月からすぐに今のサービスが受けられなくなるわけではありません。また介護報酬の引き下げにより利用料は、要支援1の方のデイサービスが月2115円→1647円に安くなります。利用する側は安くなるのでいいのですが、事業所の収入は減ります。儲からない要支援者は断られ、事実上「要支援者外し」になっていくでしょう。

実際、在宅介護や老人ホームを運営する事業所の休廃業などが2014年は175件と最も多く、05~09年の5年間の累計(156件)を1年間で上回りました。4月からは更に介護事業所の廃業などが増え、介護保険料を払っているのにサービスが使えない、という事になりかねません。

また、要支援者が利用する総合事業は、無資格者やボランティアでもサービスが行える、安上がりで専門性のないものです。利用者さんからは、「専門知識がない方では不安」「責任をもってやってもらえるのか?」など不安の声が上がっています。

安心して使いたいサービスが利用できるよう、国は最後まで介護保険制度の充実に責任をもつべきです。私たちケアマネジャーは、今回の改悪の内容を利用者・利用者家族の皆さんに知らせ、利用者が受ける影響がどれほど大きいかを調べてきました。これからも国や自治体に働きかけ、意見や要望を上げていきたいと思います。