訪問看護に花は咲く54

北区に住むAさんをご紹介します。

Aさんは、大正13年生まれの94歳女性で夫と2人暮らしです。病状観察と足浴のケアで入らせていただいています。Aさんは、結婚するまで看護婦として働いていたそうですが、結婚して辞めてしまったそうで、免状を見ながら残念そうに話してくださいます。

訪問すると、いつも「来てくれたんか?こうして来てくれたら嬉しい。力になるわ。また、きてな」と優しく声をかけてくださいます。その言葉にこちらも、元気をもらえ励みになります。夫も高血圧があり通院されていますが、Aさんのお世話や家事などしてくださっています。

穏やかで優しい人で、私達看護師を暖かく迎えいれてくださいます。夫婦2人でお互いを思いやり、支え合いながら生活されており、その姿を見ているとほっこりします。これからも、お二人の生活をサポートできる様にがんばっていきたいです。

訪問看護に花は咲く53

私たち訪問看護師は「病気や障害があっても住み慣れた地域や自宅で過ごしたい」という方たちのお宅に訪問し、体調管理や日常生活のお手伝いをしています。
以前に比べると、この数年で感じる変化があります。それは「男性介護者」が増えたことです。介護保険制度が始まる前は「介護は嫁や娘など女性が担う」というご家庭が多かったと思いますが、今は「親御さんを介護する息子さん」「奥様を介護するご主人」が介護を担っておられるケースが増えていると感じます。

介護をしながら、仕事、食事や洗濯などもしなければならないという状況を想像すると本当に頭が下がります。皆さん、どうやって気分転換をしておられるのでしょうか。デパートに買い物に行く、競馬に行く…などストレスの発散方法は人それぞれ。訪問の際に困っている事がないかお話を伺っていますが、なかなか問題解決に結びつかないことも多く申し訳なく思います。「男性介護者の会」もあり、参加しているという方にお話を伺うと、「そういうことってあるよね」という話で盛り上がり、悩みは皆同じなんだと思ったそうです。

総合ケアステーションでもお花見や紅葉狩りなどのイベントのときに参加して下さった方々が交流できるよう取り組んでいます。「家族会」と言うと敷居が高く感じるかもしれませんが、季節の行事を利用し、交流の機会にしていただければ嬉しく思います。男性介護者の皆様!お待ちしています!

訪問看護に花は咲く52

今回ご紹介するのは北区にお住まいのAさんのご主人です(70代前半)。
Aさんは若年性のアルツハイマー型認知症です。50歳代からもの忘れがひどくなり現在は寝たきりで食事もご自分で食べられません。
不明熱もあり時々38℃台の熱を出す時があります。そんなAさんを介護されているのはご主人です。ご主人は前立腺癌、気管支喘息の病気を持ちながら一人で介護されています。一番大変なのは食事のことです。Aさんはあまり食事が入らず、口を開けてくれません。せっかく摂れた食事も口から出してしまう事があります。ご主人はトロミ食を作り食事を食べてもらうためにAさんの食べられる時間に合わせて一日何回も食事介助にトライされています。優しい御主人でとても穏やかな方です。Aさんのことをとても愛されていたのが伝わってきます。そんなご主人の趣味は凧の絵を書く事です。Aさんの枕元に凧の絵が沢山飾られています。
これからもご主人の体調を考えながら元気で介護が出来るよう支援していきたいと思っています。
要介護5、便対応、口腔ケア、褥そうケアで訪問しています。