訪問看護に花は咲く39

201612a葵会総合ケアステーションには葵会デイサービス・紫竹包括支援センター・葵会居宅支援事業所・葵会訪問看護ステーションの4つの部署があります。
先日、葵会総合ケアステーション内で合同事例検討会を行いました。
精神疾患を抱えた60歳代のHさんの訪問看護はスタッフ2名で行い、他にデイサービスやヘルパーを利用しておられました。現在は専門病院で入院生活を送っておられます。事例を提供した看護師はHさんが入院するに至ったことを、「御本人に申し訳ない」「長い引きこもり生活から急に自分たちが外の世界に出してしまったせいではないか、他にどういう支援が必要だったのか」と悔やむ気持ちも持っていました。
今回の事例検討会ではHさんが入院されている病院の精神保健福祉士の方に疾患についてレクチャーして頂き、関わった事業所の方からもお話を聴くことができ事例を深めることができました。事例を提供した看護師もとらえ方が大きく変わり、退院して再び支援できればうれしいとの気持ちを持つことができました。また私たちも精神疾患を抱える方の支援は改めて専門性と個別性が求められる事を学びました。
 今回の事例検討会にご協力いただいた病院の精神保健福祉士さん、事業所の方々本当にありがとうございました。

訪問看護に花は咲く38

1101以前は、在宅で最期を看取ることが一般的な時代もありましたが、医療機関が整い、介護施設も増えてきたことから、在宅で最後を看取る機会が減ってきました。しかし、人生の最期を自宅で、家族に見守られながら迎えたいと考える方は非常に多いです。
在宅での看取りには、本人に対する身体的・精神的ケアと医療処置が必要になります。そして、本人への支援の一方で、家族への支援も重要とされています。在宅で看取りをするためには、多くの医療・介護サービスを利用し、環境と体制を整えていく必要があります。


訪問看護では、下記に記述したケアを行っています。

【身体的ケア】
熱や血圧などのバイタルサインを測定し、清潔の保持、栄養管理、水分補給、口腔ケア、排泄の介助などの身の回りのケア
【精神的なケア】
コミュニケーションを取り、居心地のいい環境を整えて安定を図る
【家族ケア】
相談しやすい環境を作り、看取りの心の準備を整える、専門家とともに心身の安定と回復が期待できるサービスの紹介や配慮、グリーフケア(遺族ケア)

特に、家族にも一定の医療行為が求められることがあり、技術のサポートも行います。
可能な限り穏やかに、自分らしくご利用者様とご家族が安心して看取りを迎えられるようお手伝いをしています。

訪問看護に花は咲く37

10p-2この秋も、看護学生さんが訪問看護の実習にやってきます。

当事業所では、看護学校二校の実習受け入れをしており、約三週間の実習期間に学生さんが二人一組になって臨みます。

自分が看護学生の頃は、「在宅看護論」という教科自体がなく、訪問看護の実習期間もたった一週間と短いものでした。しかし現在では、実習前に指導者が受け持ち利用者さんを決め、オリエンテーションの後、利用者さんのお宅にお邪魔して、在宅療養の実際を見せていただきます。そこから受け持ち利用者さんの看護計画を立案し、訪問時に計画に沿った実践を可能な範囲で行っていくことが必須となっています。実習期間のうちに一日は、ケアマネジャーさんに同行し、その役割を学びます。

今や、看護学生さんの年齢層も実に幅広く、高卒者を中心に、大卒者、社会人経験者、子育て真っ最中のお母さんもおられます。

学生さんの性格も実に様々で、笑顔が多くハキハキとし、ムードメーカーになるようなタイプや、知識が豊富で勉強熱心だけど、シャイでコミュニケーションが少し苦手なタイプなど…。連日の実習に加え、帰宅しても実習記録に追われるため、睡眠不足な学生さんも多いようですが、実習に来た学生さんたちは、将来どんなナースになるんだろう… 指導者は、 終了時にその実習が合格か否かの評価を迫られることもあり、つい未来の彼等の姿に思いを馳せてしまうのです。

訪問看護のことをどこまで知り、理解してもらえばよいか…と考え出すと難しく、肩に力が入ってしまいます。しかし、学生さんからの感想や質問を通して、逆にこちらにも新たな学びがあったり、はつらつとした若い人が訪問してくるだけで、表情や言動がいきいきとしてこられる利用者さんを目にしたりすると、「教える」だけではなく、「一緒に勉強する」という姿勢で関わっていくことが大切なのだと気付かされます。

…今度の学生さんはどんな人たちかなぁ。。