訪問看護に花は咲く141

天気痛

4月5月と異常気象が続いた後訪れたうっとうしい梅雨の時期、気になるのは体調です。
そんな時にテレビで「天気痛」を紹介しているのを目にしました。自分の症状も当てはまるのではと調べてみました。

天気痛(気象痛)とは?

  • 主な原因としては、気圧や気温、湿度などの変化によって引き起こされる身体の痛みや不快な症状のこと。
  • 身体の平衡感覚をつかさどる内耳が敏感な人ほど起こりやすい傾向がある。

天気痛の症状は?

  • 頭痛 ・関節痛 ・めまい ・倦怠感 ・気持ちの落ち込み

天気痛の対処法は?

  • 体を温める(冷やす)→痛みのある所を温かいタオルで温める。ぬるめの湯船にゆっくりつかるなど。
  • 手の平、耳周り、首などをマッサージ。
  • 肩や背中、足などの大きな筋肉を伸ばすストレッチ。
  • 深呼吸で身体と心をリラックスさせる。
  • 症状の強い時は主治医に相談し鎮痛剤等を使用する。

天気痛の予防策は?

  • 規則正しい生活を送る。
  • バランスの良い食事を心がける。
  • 症状を記録する。

天気痛は誰にでも起こりうる心身の不調です。適切な対処 予防をすることで、心身共に健やかな状態を維持し、これから訪れる暑い夏に向けて体力をつけていきましょう。

利用者様宅に咲いた紫陽花

訪問看護に花は咲く140

「高齢者帯状疱疹」が定期接種化

今年の4月1日付けのきょうと市民しんぶんの予防接種のお知らせで、「高齢者帯状疱疹」が今年から追加されたのをご存じでしょうか?
2025年度から65歳の方などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が、予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。

きょうと市民しんぶん第996号より転載

帯状疱疹とはどんな病気でしょうか?

帯状疱疹は過去に水ぼうそうにかかった時に体の中に残った水痘帯状疱疹ウイルスが動き出したとこで、神経に沿って、体の左右どちらかに帯状に、時に痛みを伴う水ぶくれが出現する病気です。合併症の一つに皮膚の症状が治った後にも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」があり、日常生活に支障をきたすこともあります。帯状疱疹は50歳代から発症するリスクが高くなります。

帯状疱疹後神経痛とは?

帯状疱疹が痂皮(かさぶた))になっても残る痛みです。
「焼けつくような」「刺すような」「引き裂かれる」「ズキンズキン」など痛みの種類は様々です。
治療は薬物療法が主ですが、時に麻薬性薬剤や抗うつ剤を使用することがあります。
特に高齢者は痛みで動きが悪くなり、筋力低下し、生命予後に悪影響を及ぼします。

その他の合併症は?

顔に発症したとき起こりやすいのが、角膜炎やぶどう膜炎などで時に視力低下や失明になることがあります。また顔面神経麻痺、耳からのめまい、難聴、耳鳴りに悩まされることがあります。

帯状疱疹の予防は?

帯状疱疹の発症には、免疫機能の低下が関係していることが知られています。加齢や疲労、ストレスなどによって免疫機能が低下すると、潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活性化しやすくなります。健康な高齢者でも、加齢により免疫機能が低下していると考えられます。
日頃から十分な休息をとりながら免疫機能の維持を心がけ、免疫機能を低下させる疲労やストレスのない規則正しい生活を送りましょう。
バランスの良い食事と適度な運動、睡眠も大切です。音楽を聴く、テレビや映画を観る、瞑想や入浴など、自分なりのストレス解消法を見つけておくとよいでしょう。
免疫機能を下げないようにすることも大事ですが、どんなきっかけで体調を崩すかわかりません。予防接種を受けることも一つの選択肢です。

補助対象の方は8月からお知らせが郵送で届きます。補助は生涯1回限りです。
対象の年齢で受けられなくても、5年後の補助対象にはなりませんのでご注意ください。
補助制度はありませんが50歳から予防接種は受けられます。
安くはない金額ですが、帯状疱疹に罹ってしまったら、それ以上の医療費がかかりますのでご検討ください。

訪問看護に花は咲く139

女性は低年金になりやすい?
年金が低いのは本人のせい?


公的年金制度は、20歳以上60歳になるまでの人が加入する国民年金(基礎年金)に、会社員らが加入する厚生年金が上乗せされる2階建て。だが、「男性が稼ぎ、女性は専業主婦」というかつての時代背景から、女性は結婚や出産を機に仕事を辞めることが多く、厚生年金の加入期間が男性よりも短かいこと。厚生年金保険料の元となる賃金が低いことなども重なり、女性の低年金状態につながっている。1階部分の国民年金の保険料を満額納めることに加え、2階部分の厚生年金をどれだけ長く、多く納めるかが、将来受け取れる年金額にも大きく影響する。「夫が働き、妻が家庭を守る」という価値観の中、女性は会社に勤めても簡単な労働しかできず、昇進もかなわず、賃金も低かった。男性優先の昇格など、働く上で女性であることによる差別があった上に、結果として女性の低年金をもたらした。低年金状態に悩む女性にとって「年金が低いのは本人のせいではないのでは?

厚生労働省のまとめでは、年金受給額の平均は、男性がひと月16万6606円、女性が10万7200円(2023年度時点)。基礎年金のみだと男性は5万5649円、女性は5万2049円となっている。

問題となるのは、現時点で年金を受給している世代だけではない。厚労省が昨年7月に公表した年金に関する財政検証では、1964年度生まれ、74年度生まれの女性が65歳時点でもらえる年金額は、約6割が10万円以下となる見通しが示された。

女性の正規雇用が増えたが、継続して働けたり、管理職になったりする人の割合はまだ低い。年金額が格段に上がるわけでもない。女性の低年金の実態を把握し、対策を早急に考える必要がある。女性が結婚や出産、学んだり働いたりすることを自ら決め、設計できるような環境が重要である。国は、短時間労働者の厚生年金加入を促進するなどしているが、女性の低年金問題を解消するまでには時間がかかる。一方、5年に1度の今回の公的年金制度の見直しでは、目玉政策となるはずだった基礎年金の底上げ策は、今のところ2029(令和11)年以降に実施の判断を先送りする方針となっている。

老齢年金の年金月額分布の変化(生年度別)

平均年金月額【指数】
生まれた年度別にみた年金月額の分布(女性)厚生労働省資料

訪問看護に花は咲く138

自宅で療養生活を続けるために
ヘルパーさんは不可欠です


最近私がYouTubeではまっているのは外国人ヘルパーさんが人間味あふれる介護を提供している動画です。言葉と介護の勉強をしながら懸命に仕事をしている姿に感銘を受けました。

さて「2025年問題」という言葉をご存じでしょうか。日本の人口の約3人に1人が65歳以上、約5人に1人が75歳以上という、世界でも類を見ない超高齢化社会を迎えた今、医療、介護、年金、雇用、経済…と、社会のあらゆる分野で課題が生じると予想されています。特に、介護保険制度の持続が困難となることが懸念されています。訪問介護の現場ではホームヘルパーが不足し、必要なサービスを提供できない現状が出てきています。厚生労働省の最新データによると、 2024年6月から8月の3か月間で、全国の訪問介護事業所のうち166件が休止、397件が廃止となりました。 

思い返せばちょうどその頃、私たちが訪問看護をしている利用者さんにヘルパーさんを導入することになったのですが、ケアマネジャーさんから「ヘルパーさんを確保できないのでいろいろな事業所を当たっているんです」と聞き、利用者さんが自宅での生活が続けられなくなると思い大変な事態が現実に起こっていることを実感しました。

2024年の介護報酬改定では、訪問介護の基本報酬がマイナス改定となり多くの事業所が経営難に陥っています。訪問のための移動時間や交通費、派遣会社を利用しての人材確保をする場合には紹介料や手数料が多くかかることも経営を圧迫している要因です。
利用者も介護保険制度発足時は負担が1割でしたが、現在は2割3割と引き上げられる方もあり負担はますます大きくなっています。
訪問介護事業所にも利用者さんにもやさしい介護保険制度となるためにはどうしたらいいのでしょうか・・・

「直接雇用の促進」や「介護保険制度・介護報酬の見直し」などの政策を変えられるよう現場からみんなで声を上げていきましょう。

訪問看護に花は咲く137

元気で!たんぱく質しっかり取ってフレイル予防


フレイルとは、特に高齢者で起こる体力や気力、社会生活的にも弱ってしまっている状態です。栄養不足による筋肉不足が大きく関わっていますが「たんぱく質」が摂れていない事が今指摘されています。
たんぱく質はエネルギー源になり、主食や油が足りなくなると、体は筋肉のたんぱく質を壊してエネルギーを作ろうとします。体に必要なエネルギーはごはんなどでしっかり摂った上で、たんぱく質を摂取する事が大事です。
主なたんぱく質 : 肉、魚、豆、牛乳、チーズ、豆腐など
たんぱく質が分解され、アミノ酸になり、そこに「ビタミンB6」が必要になります。食材としては鶏のささみや、豚のモモ、鰹やマグロなどに含まれていますが、一回の食事量では足りません。3食をしっかり色々食べましょう。