寄り添うこと・・・(36)

10p-1あの暑い夏はどこへやら、朝晩はすっかりと涼しくなりました。ケアマネジャーとしては、もう年末のことを考えながら業務を組み立てる時期なんです。本当に1年ってあっという間ですね。
先月のことです。要介護1でヘルパーを利用しているAさん宅を訪問すると、挨拶もそこそこに「来年から要介護1.2が使えなくなるってほんまか?」と慌てた様子で聞いてこられました。正しくは、来年の1月から始まる通常国会に、更なる介護保険法の改悪案が出されようとしており、2018年から実施される予定です。今秋からいよいよ本格的な審議が開始される介護保険の見直し案。それはかつてない規模や内容の改悪です。Aさんが不安でたまらない気持ちになられるのは当然です。今回はその内容についてお伝えしていきたいと思います。

  1. 利用料負担の引き上げ
    「65歳~74歳」の利用料を2割に引き上げ。「75歳以上」の利用料については引き続き検討。→昨年8月から所得による2割負担が始まりました。(年金収入280万以上の方が対象)今回は年齢による引き上げとなり、昨年とは比較にならないくらいの大きな影響が生じます。
  1. 福祉用具貸与の費用の在り方の見直し
    原則自己負担(一部補助)=償還払いの仕組みに切り替える。保険給付の割合を大幅に下げるとしています。いずれにしても償還払いになれば、費用の全額をいったん支払うことになります。
  1. 要介護1,2の生活援助の見直し
    原則自己負担(一部補助)=償還払いの仕組みに切り替える。「買い物」「調理」について保険給付そのものから外す方針(配食サービスによる代替え)との報道も。
  1. 軽度者へのその他給付の在り方の見直し
    要介護2以下のサービスを地域支援事業に移行させる。財務省は将来的に介護保険制度を要介護3以上の中重度を対象とする制度に変えようとしています。

私たちは「改悪法案を作らせない、国会に上程させない」ことを目標に、介護ウェーブにとりくみます。すべての利用者・ご家族や、地域の方々にも「利用者・家族のひとことカード」「介護保険制度の見直しに対する請願署名」の協力をお願いします。

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利用者・家族のひとことカード(PDFファイル)
介護保険制度の見直しに対する請願署名(PDFファイル)