寄り添うこと・・・(42)
ケアプランが有料化される?
現在は、ケアマネジャーがケアプランの作成をしても利用者に自己負担はありません。全額が介護保険から給付されています。それが、2018年度の介護報酬改定に合わせて有料化することが、厚労省で検討されているのです。
目的はもちろん、介護給付費の膨張を抑えるためです。ケアマネジメントにかかる支出は約4000億円となっていますので、有料化した場合、1割の自己負担で約400億円の削減効果を狙っています。
では、自己負担となるといくら負担するようになるのでしょうか?
ケアマネジャー1人あたりの取扱いが40件未満の場合、1割が自己負担となると、要介護1~2の方は1,042円、3~5の方は1,353円、介護サービスを利用する方は毎月必ず負担することになってしまいます。ケアプランは自分でも作れますが、自己作成したからといって、報酬を受けとれるわけではないので、結果的には介護保険財政を支援していることになります。
ケアマネジャーによるケアプランの作成等のサービスは介護保険制度の根幹で、利用者負担の導入は、制度の基本を揺るがすことです。また、セルフケアプランやサービス事業者によるケアプラン代行業務が多くなり、自立支援を抜きにした生活を楽にするサービス利用に流れ、かえって介護費用が増えることも充分考えられます。セルフケアプランが増加すれば、市町村の事務処理負担も増大します。
国は、軍事費の拡大(過去最大となった5兆1000億円)や、大企業に優遇されている法人税の減税を継続するための財源確保という、一方向しか見ていないのではないでしょうか。