訪問看護に花は咲く60
9月半ばを過ぎ、ようやく涼しい秋の空気になりました。この夏の厳しい暑さがいつまで続くのかと心配しましたが、「暑さ、寒さも彼岸まで」とはよく言ったものですね。
今回は北区にお住まいの70歳後半の「要支援」の男性のお話です。毎日ショッピングモールに出掛け、映画を観たり近くの商店街を散歩して帰ってこられます。Aさんの頼もしいパートナーは「敬老乗車証」。バスを乗り継ぎショッピングモールまで行くそうです。タクシーを使っておられたこともありましたが、「ケアマネジャーが手続きしてくれた」と喜んでおられます。「家にばかり閉じこもっていたら老ける」と言うのが口ぐせで、外出先で今の流行をリサーチし、気持ちを若く保つようにしているそうです。
一年ほど前、外出先で転倒し左肩を打撲したことをきっかけに寝たきりに近い状態だったAさん。訪問看護師やヘルパーと一緒に近所に買い物に行けるまでに回復し、今年の9月からヘルパーの支援は卒業することになりました。
訪問看護師は「要介護」だけでなく「要支援」の利用者にも介護予防訪問看護を行っています。Aさんのように「一人で出かけられる人に訪問看護が必要なの?」と思われるかもしれません。日々の生活は何でも自分でできていますが、定期的に受診ができて薬が飲めているか、食事や栄養がきちんと摂れているか、飲酒量が増えていないか、色々な人と交流ができているか、歩く力が衰えていないかなど専門的な視点で確認します。そして気になる事があれば主治医やケアマネジャーと相談し、Aさんがこれからも自分らしく過ごしていけるよう考え支援します。日本の健康年齢も80歳に近づいています。少しでも長い期間、元気で自立した生活を送る事を目指して頑張りましょう!