寄り添うこと・・・(67)

国民健康保険料や国民年金保険料は国民皆保険制度の下、国籍に関係なく日本で暮らす限り支払う義務があります。

例えば健康保険ですが、医療にかかった際には窓口負担を抑える機能があります。ところが、低所得の人どころか、現在では中間所得層にまで及んで保険料すら高すぎて払えなくなり無保険状態となるケース、外国人労働者、年金生活者、国民健康保険証を所持していても医療費の窓口負担の重さから医療にかかれず、受診を躊躇し手遅れ治療となるなど、救われるはずの命が救われないケースが増えてきているのはご存知でしょうか。なかでも、国民健康保険の加入者の8割が年金生活者と非正規労働者だといわれています。平均年齢と医療費は高く、平均所得は低い構造で、収入が低いのに保険料が高いという矛盾が生じています。その上、昨年4月からの国民健康保険の都道府県化によって、国民健康保険料が値上げされた自治体も多くあります。一体何のための国民皆保険制度なのでしょうか…。

国民健康保険だけではなく、国民年金の支払いもそうです。平成31年4月からの月々の保険料は16,410円です。これまで25年間加入という縛りが10年と期間短縮され、滞ることなく支払っていれば万一の場合は障害年金や遺族年金を受け取れるといったメリットがあります。しかし、その恩恵を受けるためのハードルが高くなってきているのではないでしょうか。減免制度はもちろんありますが、減免したところで将来もらえる年金も減るわけです。

払える人だけがその恩恵を受ける時代といっても過言ではないように思います。こうやって格差社会が着々とすすんでいっているのではないでしょうか。この実態に問題意識を持つ人が増えなければ、矛盾した国民健康保険の構造的問題を解決していけないと思います。そして、この問題は決して他人事ではないということを、利用者さんやその家族、友人たちに伝えていきたいと思います。