寄り添うこと・・・(107)

朝晩は涼しい風が吹き秋の気配を感じるさなかですが、10月1日より、一定以上の所得がある後期高齢者(75歳以上)の医療費の自己負担が2割へ引き上げられます。対象者はなんと370万人!後期高齢者全体のおよそ20%にあたるそうです。
厚生労働省は、「いわゆる〝団塊の世代〟が2025年にかけて後期高齢者となっていくなか、現役世代の負担が急増している」「今回の見直しは、現役世代の負担を抑えて国民皆保険を未来へとつないでいく、という趣旨で実施する」と説明していますが…。
単身世帯なら200万円以上、複数世帯なら計320万円以上(年金収入には遺族年金・障害年金を含まない)の方が2割負担の対象です。対象となる利用者さんからは、「医療費が倍になるなんて…通院回数を減らすしかない」「年金額は下がって、消費税と医療費は上がった、でも我慢するしかない、これでなんとかやっていくしかない」など、切実な声が上がっています。
この改正案が可決したのは2021年6月です。コロナ感染症が依然猛威を奮い、日々の暮らしや健康への不安が高まっているさなかで強行された「東京オリンピック」開催の1カ月前でした。こんな重要な法案が可決されていたことを、この時期、どれほどの国民が理解していたでしょうか。福祉従事者としてこれからも制度を学び、利用者さんやそのご家族に伝えていくことが大切だと感じています。

2022年7月 我が家でセミが脱皮しました。初めて見ました!