寄り添うこと・・・(15)
私事ですが、母親は80歳で一人暮らし。急性虫垂炎の手術後、やっと介護申請をしました。今は週1回ヘルパーさんの援助を受けています。あっさりした明るい人柄でおしゃべり好きです。(毒舌家とも・・・)
父親が亡くなったときはどうなるかと思うくらい沈み込んでいましたが、半年後には父親が残した膨大な日記や書物、美術書などをすべて処分してしまいました。たとえ亡くなったとはいえ、父親の日記を読む気持ちにはなれない私とは違って、生前から母親は勝手に父親のそれを盗み見していました。「ははは、また『今日で酒は止めよう』って書いてあるわ。毎日おんなじことよう書くわ」と笑いながら。
父親は外面が良く内面は頑固で変人。酒を飲むと気が大きくなり、政治や文学、絵画の話を楽しげに語り、「日本の詩歌」を持ち出しアカペラで歌いだすような人でした。どちらかというと私は父親の生き方や性格に類似しているのではないかと思うときがあります。だから母親には違和感や憧れが強く、父親には親近感や嫌悪感を抱いていました。しかし人生の節目節目で選択を迫られたとき、自分が決めた道を応援してくれたのが父親であり、決して自分の考えを押し付けることがなかったように思うのです。ケアマネジャーとしても然り。一人一人生き方や考え方が違うのが当たり前。それを尊重し、最後まで自分らしい人生を謳歌できるように応援する仕事ではないかと感じています。たくさんの高齢者の方々との出会いが、私自身を豊かに謙虚にしてくれたと実感します。今後も様々な人生の一片に教えられ続けたいと思います。