訪問看護に花は咲く136

人生100年時代

2024年の統計によると、日本人の平均寿命は男性81歳、女性87歳、90歳まで生存する人の割合は、男性26.0%、女性50.1%(厚生労働省令和5年簡易生命表の概況より)となり、まさに『人生100年時代』という言葉が現実味を帯びてきました。

病気がなくても年齢と共に体力や物事を考えたり伝えたりする機能は衰えていきます。そして自分が望んだ治療や生活を送ることが難しくなっていきます。
皆さんは、これから100歳に向かって生活していく中で、自分が大切にしていることは何か、どのような望みを持っているのか、どのような生活を送りたいかということを考え、家族や親しい人に伝えたことがありますか?

『人生100年これからゲーム』というカードゲームを御存じでしょうか?カードには4分野(医療・生活ケア・人間関係・価値観)の大切なことが記されています。例えば「痛みや苦しみがないようにしてほしい(医療)」「毎日お風呂に入りたい(生活ケア)」「誰かに必要とされたい(人間関係)」「最期までおしゃれをしていたい(価値観)」などがあります。私の夫は「機械やチューブで延命はしないでほしい」「最期まで穏やかに笑顔でいたい」「ひとりの時間を保ちたい」「静かに眠るように旅立ちたい」というカードを選んでいました。

自分が病気にかかったり歳を取って動けなくなった時のことを今から考えるなんて「縁起でもない」と思われる方もあるかもしれません。日常では話し合う機会が少ないテーマですが、カードゲームを通して家族の思いを知ることができるかもしれません。