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「高齢者帯状疱疹」が定期接種化

今年の4月1日付けのきょうと市民しんぶんの予防接種のお知らせで、「高齢者帯状疱疹」が今年から追加されたのをご存じでしょうか?
2025年度から65歳の方などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が、予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。

きょうと市民しんぶん第996号より転載

帯状疱疹とはどんな病気でしょうか?

帯状疱疹は過去に水ぼうそうにかかった時に体の中に残った水痘帯状疱疹ウイルスが動き出したとこで、神経に沿って、体の左右どちらかに帯状に、時に痛みを伴う水ぶくれが出現する病気です。合併症の一つに皮膚の症状が治った後にも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」があり、日常生活に支障をきたすこともあります。帯状疱疹は50歳代から発症するリスクが高くなります。

帯状疱疹後神経痛とは?

帯状疱疹が痂皮(かさぶた))になっても残る痛みです。
「焼けつくような」「刺すような」「引き裂かれる」「ズキンズキン」など痛みの種類は様々です。
治療は薬物療法が主ですが、時に麻薬性薬剤や抗うつ剤を使用することがあります。
特に高齢者は痛みで動きが悪くなり、筋力低下し、生命予後に悪影響を及ぼします。

その他の合併症は?

顔に発症したとき起こりやすいのが、角膜炎やぶどう膜炎などで時に視力低下や失明になることがあります。また顔面神経麻痺、耳からのめまい、難聴、耳鳴りに悩まされることがあります。

帯状疱疹の予防は?

帯状疱疹の発症には、免疫機能の低下が関係していることが知られています。加齢や疲労、ストレスなどによって免疫機能が低下すると、潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活性化しやすくなります。健康な高齢者でも、加齢により免疫機能が低下していると考えられます。
日頃から十分な休息をとりながら免疫機能の維持を心がけ、免疫機能を低下させる疲労やストレスのない規則正しい生活を送りましょう。
バランスの良い食事と適度な運動、睡眠も大切です。音楽を聴く、テレビや映画を観る、瞑想や入浴など、自分なりのストレス解消法を見つけておくとよいでしょう。
免疫機能を下げないようにすることも大事ですが、どんなきっかけで体調を崩すかわかりません。予防接種を受けることも一つの選択肢です。

補助対象の方は8月からお知らせが郵送で届きます。補助は生涯1回限りです。
対象の年齢で受けられなくても、5年後の補助対象にはなりませんのでご注意ください。
補助制度はありませんが50歳から予防接種は受けられます。
安くはない金額ですが、帯状疱疹に罹ってしまったら、それ以上の医療費がかかりますのでご検討ください。