訪問看護に花が咲く7

今回ご紹介するのは60歳台の男性Sさんです

バスや電車には1人で乗れますが、視力障害があり、病状の観察や爪切りに入らせて頂いています。
訪問看護が開始になった頃は同じ事を聞いたり聞き直すと、怖い顔でよく怒鳴られて震え上がっていました。でも、訪問を重ねるごとに、色々とお話をして下さり、お互いを理解できるようになってきました。
Sさんは東日本大震災の時はボランティアに行かれ、その後も毎年行かれています。また、手足のしびれがあり入浴目的でデイサービスに通われていますが、デイサービスではムードメーカー役として親子ほど年齢が離れた利用者さんを、スタッフと一緒になって楽しませて下さり、ボランティア精神にあふれた心の優しい方です。

今でも、時々どなられる事がありますが、そのまなざしの奥の心優しさを知っています。
今回、その方の新たな才能を知ることとなり、皆様にもご紹介させて頂きます。

*要支援2 月2回の訪問看護30分 週2回のホームヘルパーさんによる家事援助と週2回のデイサービスを利用されています。

寄り添うこと・・・(6)

ケアマネジャーとして10年以上が経過しました。その間私自身の生活には随分変化がありました。高齢の利用者さんの中にも大きな変化を迎える方がいます。その一つがつれあいの死です。
S夫妻は要支援状態であった時から担当しています。妻が要介護状態となり、3か月に1度の訪問から毎月訪問となって、話す機会も増えました。訪問するとお二人が競うように話され、両方の耳で別々の事を聞くような状況でした。また小さなことで口げんかをされることもしょっちゅうで、1階と2階で別々に過ごされて口もきかないという冷戦状態だったこともあります。80台後半と90台で、長年連れ添ってきても分かりあえないことがあるのだなあと感じたものです。それが昨年12月に突然夫が自宅で倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。

妻の精神的な落ち込みは想像以上でしたが、近くにいる子供さんたちがそれぞれ毎日訪問したり、泊まったりして支えました。ようやく1か月を過ぎたころに家に呼ばれました。長女さんが同席されていましたが、「私たちもこれからも助けていきたいが、母親も早く立ち直ってほしい。同じ年代の人たちともっと積極的に関わってほしい」とデイサービスの見学を希望されました。少しやつれた本人は「喧嘩ばっかりしてたけど、お父ちゃんは真面目な人やった。私のことをずっと考えてくれてたし、私はお父ちゃんに支えられてきたんや。」と泣いておられました。

私の父親も7年前の12月に突然自宅で亡くなりました。その時の喪失感は想像以上でしたが、私にはやるべき仕事や子育てがありました。なんとか自分の生活に戻りましたが、母親はしばらく一人では眠ることが出来ませんでした。そのことを再び思い出しました。私たちの人生に別離はつきものです。しかしみんなそれを乗り越えて明日を生きる。乗り越える過程に家族がおり、友人がおり、近隣の方々がいる。現在Sさんは週1回ではありますがデイサービスに行くことになりました。私は毎週デイサービスをのぞきに行きます。隣の席の方と喋りながら明るく笑うSさんを見てほっとします。一時でも寂しさを忘れ、笑うことが出来たら、また明日も生きていけるのではないかと思うからです。

そしてSさんが深い悲しみを背負っていることを理解し、見守ってくれているデイサービスは、本人や家族だけではなく、ケアマネジャーにとってもありがたい存在です。介護の現場は単なる入浴や日中の居場所だけのサービスだけではない。一人一人の生活や人生観に寄り添い、出来る限りの支援を考え提供する、その実践が介護の現場で行われていることを誇りに思っています。

2014年2月のデイ風景

壁紙作り♪ 梅の花と椿の雪化粧

二月の壁紙は、花紙をまるめて梅の花と椿を作成しました。
この壁紙で、暖かいデイサービスの中でも季節感を感じていただけるのではないでしょうか?

二月レク♪ オニの角ゲーム


皆さんに作っていただいた貼り絵の鬼と、裁縫でつくっていただいた「オニの角」を使ったゲーム。貼り絵の鬼をダンボールに貼って大きな口をあけました。そこに、「つの」を、手を使わずに、「うちわ」でどれだけ入れることができるか、という内容です。皆さん熱中して、ついつい手で入れてしまわれる場面もありました。その後は恒例の豆まきに突入!職員が扮する「赤鬼」に容赦ない豆が投げつけられました!(笑)

三月の予定
レクリエーション … 月・火・水 つくし競争
木・金・土 ストレス解消!缶落としゲーム
薬浴 … ジャスミン
※次月の予定は変更することがあります。予め御了承下さい。

訪問看護に花が咲く6

昨年6月から9月まで訪問していた
A子さんのお話です

笑顔がすてきなA子さんはご主人と息子さんの3人暮らし。A子さんは脳梗塞後遺症のため寝たきりで自分の身体の向きも替えられません。足と背中に床ずれがあり、床ずれの処置と排便を促す援助のために週2回の訪問看護が開始となりました。息子さんは働いておられるため、ご主人が食事を作り介助し、おむつ交し、身体の向きも替えないといけません。糖尿病もあるため、毎日の血糖測定、インスリン注射も。忙しい毎日だと思うのに、一言も愚痴をこぼさず、介護を楽しんでおられるよう・・・

ご主人は事あるごとに、A子さんは昔はもっと美人だった事、一緒に登山したりして、仲良く趣味を楽しんでいた事などをよく話して下さいました。A子さん夫婦がしっかりと深い絆で結ばれている事が、ご主人のエネルギー源だったのでしょう。

床ずれも少しずつよくなり、リハビリも少しずつ進んでいた9月。お昼の食事介助をされている時に急にぐったりされ救急車で病院へ。そのまま永眠されました。突然でした。

後日訪問するとご主人は「私は毎日写真を見て泣いてばかりいる。でも、検死後帰ってきたA子は本当にきれいで笑っているようだった。」と言われた時、「今までありがとう。本当によくしてもらって感謝しています。私の分まで長生きして下さいね。」とA子さんの声が聞こえてくるようでした。

訪問看護で色々な場面に出会います。いいご夫婦との出会いに感謝です。天国のA子さん、ありがとうございました。ご主人を空の上から見守っていて下さいね。

*A子さんは要介護5 週2回訪問看護 週2回訪問リハビリ 週1回訪問入浴を受けておられました。