訪問看護に花は咲く4

今回は、西賀茂にお住まいのOさん

Oさんはなんと103歳です。今年、脳梗塞を発症され、食事も食べにくくなり、最期は自宅で過ごしたいと退院されました。しかし、住み慣れた自宅、娘さんの献身的な介護もあって、自宅に戻ってからは食事が進むようになり、徐々に活気も出て、ベッド上で座れるようにもなりました。

Oさん宅は、娘さんと息子さんの3人暮らし。息子さんも脳梗塞後で麻痺があり、食事やベッドの横にあるトイレを使用するのも介助が必要です。娘さんは、お母さんと弟さんの二人を一人で介護している状況です。私たち訪問看護では、週2回排便援助に入らせていただいていますが、娘さんもお手伝いをしてくださり、その際、「あっち向いて~」などの言葉に即興で節をつけ、歌ってくださいます。娘さんの歌を聞きながら本当に穏やかな時間の中での援助、訪問の度にこちらが癒されます。

日々の介護は本当に大変だと思います。その中でも、介護を少しでも楽しくされている娘さんの姿をみて、大変な中でも「介護を楽しむ」というものを感じました。私たちも療養者さんや介護している方を、癒せるような存在になりたいと思います。

*Oさんは要介護度5 訪問診療1回/2週 訪問看護2回/週 訪問入浴1回/週 訪問介護2回/日を介護保険で受けておられます。

寄り添うこと・・・(3)

今回紹介させて頂くケースは、91歳で一人暮らしの要介護4の女性Aさん・・二人の息子さんが其々家族を持ちで京都のお住まい、しかしご本人の強い希望で一人暮らしを。
「一人暮らしが一番いい、息子達は時々顔を出してくれるし、きっと一緒に住むとなると気を遣う。私はまだまだ一人で何処でも行ける、歩けんようになったらペケ!その時は施設に入れてもらうつもり。ヘルパーさんはじめ皆さんにお世話になって毎日感謝して拝んでいます。」と、訪問時はいつも両手を合わせながら変わらぬ笑顔で話される。そんなAさんと息子さんとの会話はまるで掛け合い漫才のようにリズミカルで、思わず私の顔がほころびっ放し。

「母はどっこも悪くない、ただ・・困った事にオツムだけが悪い、そこだけ困っています。あっ、それと鼻も悪い!こげた臭いがわからんし火事とか心配です。」と話される息子さんの言葉は母への愛情がたっぷり、私の心を癒してくださる。

Aさんは約10年前に認知症を発症、直前の事を忘れ同じ事を繰り返し話す、ご近所さんにも少なからず迷惑をかけ、その都度家族が対応(お礼や謝罪)、大切な書類がなくなる等々、生活の中であらゆる問題がある中、何とか一人暮らしができている。もちろんAさんが長年かけて築いた「ご近所さん」の暖かい見守りと、私達が支援する介護保険のサービスをなくしてはこの生活はなりたたない。毎日朝夕にヘルパーさんが買物・調理・掃除・洗濯・汚れた衣類等の着替えのお手伝い、繰り返される同じお話や質問に気長に応え、ありのままのご本人を受け入れながら。そして週3回のデイサービスを利用、元来社交的なAさんはそこでもムードメーカーで、なくてはならない存在。ご本人も毎日でも行きたいと、利用日以外も鞄を持って外で待たれる事も…。

核家族化が進み、独居または高齢者世帯が増加。以前なら否応なく子供が仕事を辞めてでも面倒みる、嫁がクタクタになるまで介護する等々が当然だった。しかし介護保険サービスが始まり介護の社会化が安定した今、介護保険サービスを有効に利用することで、その人がその人らしく生活する事が出来るし、家族も大切な仕事を辞めなくて済む、そしてなにより家族は良好な関係を保つ事が出来る。その事を自負しながら、そして今後も継続する必要性を強く想いながら、私は日々利用者様宅を訪問し、耳を傾け、支援の方向を決めている。ご本人・ご家族の『ありがとう』の言葉に支えられて…。

2012年度

訪問看護 満足度調査

アンケートにご協力いただきありがとうございました
「記録が読みにくい、不十分」の意見をいただきました。
現在記録用紙の更新を進めています。よりわかりやすく、充実した記録になるよう努めて参ります。相談しやすい関係作りをし、皆様の支えになるようにしていきたいと思います。 引き続きの課題ですが、ケアの統一、看護の質の向上に努めて参ります。 訪問看護を利用してよかったと感じていただけるよう、日々精進して参ります。

訪問看護に花は咲く3

長い夏が終わり、
やっと秋らしくなってきましたね


今月は、京都原谷にお住まいのTさんをご紹介いたします。Tさんとても明るく優しい方です。花で例えればひまわりの様な方。

訪問看護では、リウマチがあり、お薬の管理とリハビリで訪問しています。今は病状も落ち着いてきていますが、以前はお薬の副作用で大変辛い時がありました。でもそこは、持ち前の明るさで、笑いで吹っ飛ばして下さいます。

Tさんの趣味はパッチワークと絵手紙。体調を悪くして暫くパッチワークもお休みしていましたが、最近は少しずつパッチワークを始める事ができました。以前の作品も沢山ありましたが、お友達にほとんど譲ってしまうほどの太っ腹。今年78歳のTさん、新しい作品をステーションみんなで待っていますよ~

*Tさんは要介護1で、一人暮らしです。週1回の訪問看護と週1回の訪問介護での掃除と布団干しの援助を受けて、市内までのお買い物も時々楽しんでおられます。

寄り添うこと・・・(2)

京都生まれ京都育ちのMさんは、社交ダンスに旅行と多趣味で楽しく過ごしておられましたが、50歳を過ぎ糖尿病と診断されました。
70代後半になり、血糖コントロールが悪く、インシュリン療法を始めることになりました。しかしそのころから認知症の症状が出てきたため認知症薬が処方されるようになりましたが、服薬が全くできなくなり精神状態も不穏となりました。長男夫婦の部屋を覗く、嫁にお金を盗まれたなど被害妄想も出てきたため、主治医の先生や、薬局、デイサービス、兄弟や長男夫婦を交えた会議を何度も行いました。

Mさんの不穏の要因は何か、何が今大切なのかを話し合い、「服薬の管理とインスリン注射を徹底していこう」と決め、曜日ごとに薬、インシュリン担当を明確にしていきました。
それから6か月が経過し、Mさんは見違えるほどに穏やかな笑顔を取り戻し、他者との交流も楽しんで参加できるようになりました。その後、同居されている長男夫婦が自営業で多忙であること、また本人の希望でもあり施設入所が決定しました。
今では週末に長男が迎えに行き、自宅に外泊して過ごすなど家族との関係も良好となっています。家族も含めてMさんを支えるチームとして、生活の課題を共有化し、協力してその達成に取り組んだことで、Mさんらしい暮らしが実現できました。

本来の穏やかなMさんに出会えたことはケアマネジャーを担当させていただいて良かったと思えた一瞬でした。
この事例から、認知症のMさんへの支援を粘り強く取り組んでくれた介護スタッフの専門性への信頼、医療と介護の連携の大切さを感じることが出来ました。