寄り添うこと・・・(99)

 「環境問題について一緒に考えませんか」

毎日寒い日が続きますが、今年は厳冬で例年よりも厳しい寒さになっています。
冬の生活に、エアコン、電気ストーブ、ファンヒーターなどの電気暖房機器など、電気は私たちの生活にとって欠かせません。

そのような貴重な電気は、主に化石燃料を燃やす火力発電によって生まれます。しかしその代償として温室効果ガス(大気中に含まれる二酸化炭素やメタンなどの総称)を大量に排出させてしまい、地球温暖化の大きな原因となっています。

2015年に開かれたパリ協定では、2020年以降「温室効果ガスの排出量のピークアウト」と「地球の気温上昇を2度未満に抑える努力」を長期目標として掲げ、主要排出国を含む多くの国が参加しています。キングコール(石炭王)と呼ばれるほどに石炭産業を支配している英国でも、2024年には石炭火力をゼロにする方針。ドイツでも「38年までに脱石炭をする」ということを目標にしていましたが、政権交代でその期間を「30年まで」と短縮。このように世界各国は着々と動き始めています。そのような情勢の中、気になる日本ですが…。

日本の総発電の81%は火力発電で、石油、石炭、天然ガスなど化石燃料を燃やし発電させています。火力発電による二酸化炭素の排出量は34%で、その排出の54.3%が石炭です。その中で日本の掲げる中期目標は、2030年度の温室効果ガスの排出を2013年度の水準から26%削減することです。2030年にはアンモニアを石炭混焼して、2050年にはアンモニア量を増やして二酸化炭素排出量を減らしていく考えだそうです。しかし政府の思惑は、電力会社などが既得権を持つ設備を使い切ることで、そこに膨大な予算も準備しているのです。それどころか、日本は脱炭素連盟には加盟しておらず、今後も石炭火力を使う方針であることが明白です。さらに懸念事項として、アンモニアは毒性が強く取り扱いが危険なので、新たな公害を引き起こしかねません。

わたしたちの地球を救うため、「脱石炭」は世界の共通目標になりつつあります。

そしてそのことが、地球を守ること、人の命を守ることに繋がっていくのだと思います。
いま日本ができることは、石炭や石油の代わりに、使い果たす心配のない太陽光、風力、水力、地熱、間伐材などを燃焼させて使うバイオマス燃料などを使用し、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーへの代替ではないでしょうか?

政府が再生可能エネルギーに対しもっと意欲的にならなければ、国民にとってメリットのある生活や経済、環境問題への意識は生まれてきません。自然環境を破壊することは仕方ないというような政府に反対し、正しい情報を得ていくことから一緒に環境問題を考えていきませんか。

南丹市園部の風景