訪問看護に花は咲く96

♫ 夕焼け小焼けの赤とんぼ ♪


訪問中に利用者さんと一緒に歌をうたうことがあります。

入浴介助をさせてもらっているAさん!入浴中に「今年は、赤トンボまだ見ないネ」という話から赤トンボを一緒に歌いました。「十五でねえやは、嫁に行き お里のたよりもたえ果てた」この姉やとは、子守り(奉公人)の事ですよね?じゃぁこのお里とは、誰のお里なの?と問うと『この時代は12歳〜13歳頃に奉公に出されて、1つ2つ隣町から来て、子守りをしながら自分の里の事を、子どもに聞かせるわけさネ。だから、このお里と言うのは奉公人のお里の事で、15歳で嫁に行きその里の話も聞けなくなった。寂しいと歌っているんですよ。』と教えてくれました。

排泄介助をしているBさん! 排便時にうーんと頑張ると息を止めてしまうので、代わりに歌を歌って貰います。するとBさんは「会いたさ 見たさに 怖さを忘れ♫」とカゴの鳥が十八番です。聞き覚えはあるのですが、どんな背景の歌なのだろうかと調べてみたところ、大正13年帝国キネマ演芸が悲恋物語『籠の鳥』として映画化され、その主題歌で爆発的に流行した歌だとか!「なぜ?この歌が好きなのか?どんな思いでこの歌が母から出てくるのか?分からないんです」と娘さん。

リハビリ目的でお散歩をする時、365歩のマーチを歌いながら元気よく「腕を振って、足を上げてワンツー」と歩きます。歌をうたうことで歩調がスムースになる事もあります。

看護の中に歌(音楽)を取り入れながら、私自身も利用者さんの生きてこられた時代を学びたいと思っています。