訪問看護に花は咲く98

ここ数年、日本の四季をじっくりと感じることができなくなっています。冬から春を飛び越えて夏になり、暑い夏から秋を迎えることなく冬がきてしまう。コロナ禍でもあり、四季を楽しむことも難しくなってきていて寂しくも感じる今日このごろです。

今回ご紹介するのは、北区にお住いのAさん90歳代です。「生命の危険を感じた」と娘さんが思われるほどの病状で、入院生活を余儀なくされていました。しかし、病状も安定し「早く家に帰りたい」という思いが強くリハビリを積極的に取り組まれ、無事に自宅に退院されました。退院後は、独居であり体調面での心配ごともあるため訪問看護が開始になりました。
近くに住む娘さんが毎朝訪問され、食事の支度に掃除や洗濯など身の回りのことを献身的にされています。とても親子仲が良く、よく観察しておられるため娘さんからの情報が病状を判断するのにとても参考になっています。そんな中、筋力低下の回復と少しでも娘さんにしてもらっていることが自分でできるようになりたいという思いから、訪問リハビリを受けられることになりました。とてもまじめに取り組まれ、「リハビリの先生に褒めてもらえるように頑張るんや」と毎日一人の時でもリハビリに取り組まれています。家での生活にも成果は表れており、立ち座りや歩行など筋力もアップし洗濯物干しを少しずつできるようになっておられます。

若いころは警察官として働かれ、その後自動車教習所の講師を長年続けてこられました。その間にも、映画に出演した経験や普通の生活では経験できないことも沢山してこられました。そんなご自身の半生を、パソコンで書いて振り返っておられるとAさんから聞きました。今は、娘さんが小学校に入ったところまでできているそうです。「いつまでできるかわからないけど、できたら製本にして読んでもらう」とおっしゃっていました。すごい!!と思うと同時に、製本されたものを読むのがとても楽しみになりました。これからも毎日少しずつ、楽しみながら書いてもらえたらいいなぁと思っています。
私たちも、訪問看護師としてAさんのやりたいことが実現できるようにサポートしていきたいと思います。