訪問看護に花は咲く104

健康寿命

健康寿命とは、2000年にWHOが提唱した概念で、日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のことです。

私事ですが、今年の2月、関東で一人暮らしをする祖母が他界しました。94歳でした。ある日突然、歩くことができなくなり、不本意にも入院することとなったのですが、すでに片足の動脈が詰まり、腎不全末期の状態でした。亡くなる10日前くらいまで、歩いて年金を下ろしに行っていたというので驚きです。糖尿病も患っていましたが、食べることに貪欲で、ご近所さんとも交流があったようです(急変時もご近所さんが発見し、世話をして下さった)。

2016年では、健康寿命の平均寿命との差は男性約9年、女性約12年となっており、2001年と比べると平均・健康寿命とも延びていますが、その差は縮小していないそうです。健康寿命を延ばすことが必要と言われていますが、便利で楽な生活が当たり前になり、今の現役世代が高齢者となる頃にはその差がさらに大きくなっているような気がしてなりません。
祖母のように、周りにほとんど迷惑をかけることなく、健康寿命を延ばすにはどうすればよいでしょうか?よく言われるのは、食事、運動、睡眠、禁煙などですが、意識しないとなかなか実行に移せず、自分自身の苦手分野でもある運動について触れてみたいと思います。

ロコモティブシンドロームを予防する10の習慣
1.歩幅を広くして、早く歩く。
2.自転車や徒歩で通勤する。
3.エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う。
4.地域のスポーツイベントに参加する。
5.仕事の休憩時間に体を動かす。
6.テレビを見ながらロコトレやストレッチ。
7.いつもより遠くのスーパーまで歩いて買い物に行く。
8.掃除や洗濯はキビキビと。家事の合間にストレッチ。
9.近所の公園や運動施設を利用する。
10.休日には家族や友人と外出を楽しむ。

参考:厚生労働省「アクティブガイド2013」

いかがでしたか?すぐに取り組めそうなことから、少し難しいことまであると思いますが、これからの高齢化社会に備えるためにも、少しずつでも生活に取り入れてみたいものですね。