今年は暖冬といわれていた通り、気温の高い日が多く、もう桜も咲いてしまうのではないかと思うような今日この頃です。
当ステーションで働き始め、1年が過ぎ、様々なご利用者様やそのご家族と関わらせていただいています。中でも、今回、ご紹介させていただきたいご利用者様は、私自身、初めて在宅での看取りを経験させていただいた方です。
そのご利用者様(Aさん)は、弟様とのお二人暮らしで、徐々に体重が減ってきておられたことと身体の機能も低下してきておられたため、3年ほど前から訪問看護が関わらせていただくことになりました。
訪問時は、ごあいさつするとAさんは「おはよう」と笑顔でお返事してくださり、穏やかな方でした。体調の確認やご自宅でのご様子などは弟様からお聞きしていました。介護者である弟様もご自身の治療や検査を継続されながら、介護を続けておられ、お話を聞く度に、頭が下がる思いでした。そんな中、徐々に、Aさんの食べられる量が減っていき、元気がなくなっていく状況が続いていました。そういった期間が続いたため、主治医の先生からも残された時間が限られていることが伝えられました。
最期をどこで迎えたいと考えておられるかということに対して、弟様は迷うことなく、「このまま家で看てあげよう思ってますねん」と話されていました。その決断の裏には、お父様を病院で亡くされ、自宅で看てあげたら良かったという思いがおありだったようです。
大切なご家族を介護され、ご自宅で看取られた弟様の努力や気づかい、優しさに私自身も胸を打たれました。そして、その弟さまの思いに応えるかのように、苦しむことなく穏やかな最期を迎えられたAさん。
悲しみや寂しさがありながらも、弟様は「最期まで家で看られて良かったです。いろいろ教えてもらえたからできたんです。」と、後日、訪問させていただいたときにお話ししてくださいました。
訪問看護の経験はまだ、日が浅く、何か力になれていることはあるかなと心配していましたが、弟様からのこの言葉に訪問看護の役割に気付かせていただいたように思います。
年頭のご挨拶
2024年を迎え、もう1ヶ月が過ぎました。
遅くなりましたが、年頭のご挨拶を申し上げます。
年初から大きな災害が発生しました。能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
また、犠牲になられた方々に、謹んで哀悼の意を表します。
職員の自宅の梅の花
昨年に引き続き、地域の方々やご利用していただく皆様へ安心をお届けできるよう、
職員一同サービス向上に努めて参ります。
本年も変わらずご愛顧を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
皆様のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。
今宮神社
世の中が180°変わってしまったかのようなコロナ禍という言葉もかなり遠のき、世間は華やかなイルミネーションやお正月らしい雰囲気もみられます。街には人々が行き交い、観光客、とりわけ外国人の姿もたくさん目にするようになり、ようやくコロナ前のような活気が戻ってきました。
先日、小学生の長男の宿題を手伝う機会がありました。「総合」という教科で発表する簡単なレポートで、親の職業やその内容、仕事をしている時の思いや、願いを問われるものでした。今まで続けてきた自分の仕事を少し振り返るきっかけにもなったのですが、同時にある利用者さんのご家族からの言葉を思い出しました。それは、訪問看護日が祝日になった場合の対応の説明で、近年は月曜の祝日が多く、連休が増えても嬉しいことばかりではない、という話になり、「休みで外へ遊びに行く人がいたら、そこで働く人が必ずいるのにね」と仰ったことでした。当たり前なのですが、ほかにも様々な職業があり、それらを担う人々によって社会が成り立っていること、自分がこうして仕事を続けてこられたのには、利用者さんやご家族をはじめ、周りの方々の支えがあったからこそだということにも改めて気付かされました。
2023年もあっという間に過ぎ去り、ご自宅で療養や介護を続けておられる皆様にも色々なことがあったと思います。本当にお疲れ様でした。療養や介護・看護には、街なかのイルミネーションのような華やかさはありませんが、目に見えない苦労や努力、工夫、人と人との支え合いが詰まったものだと思います。新年を迎えても何ら変わることなく続いていきますが、お互いに体調に気を付けて、焦らずに踏ん張っていきましょうね。
2024年もどうぞよろしくお願い致します。