訪問看護に花は咲く31

ume2梅がちらほらと咲き始め一足早い春の訪れを感じます。
まだまだこの時期の訪問看護の挨拶は「寒いですね」で始まりますが、寒さを乗り切るためにあったかグッズをたくさん身に着け、着ぶくれしながら頑張っています。


今回、ご紹介するのは北区にお住いのAさんご夫婦との一コマです。
体調管理とリハビリのために訪問看護を利用されるようになりました。「こんにちは」と玄関を開けると、奥から「いらっしゃーい。入ってー」と奥様の元気な声が聞こえてきます。中に入ると「ゆっくりしていき」とAさん。いつもあたたかい笑顔で迎えてくださいます。血圧などを測り終え、大宮交通公園付近に散歩へ行きます。
Aさんは散歩をしながら、色々なことを話してくださいます。大宮交通公園に保存してある京都市電の歴史、京都につながる街道のこと、小さい時に鴨川が増水した翌日、土手にできた水たまりにあがった魚をとっていたことなど、私の知らない昔の京都のことを沢山教えてくださり楽しいひと時です。
つい先日は、お正月明けに訪問に行くと、「今日は訪問の日やったかな」といつもよりさらに笑顔のAさん。実は少しお酒をたしなんでおられ、上機嫌でした。奥様も「この人は飲んだらご機嫌さんなん」と言われていました。そして、いつもより饒舌なAさんが突然「いつもありがとう。来てくれると嬉しい。○○さんの人徳だね」と言われました。その言葉に、励ましてもらったような気持ちになりとっても嬉しく思いました。
Aさんは現在、当初の目標である、歩けるようになるという目標を達成し、訪問看護の契約は終了となりましたが、事業所から家が近くなため、バイクで走っているとお会いすることがあり、いつもの笑顔で「頑張りや」と声をかけてくださいます。ご夫婦がいつまでも元気にお家で暮らせるように祈るばかりです。

訪問看護師になって9か月が経とうとしています。
この9カ月で約60人以上の方との出会いがありました。
利用者様、家族様との関わりで、勉強になることがたくさんあり、またこちらが励ましてもらったり、元気を頂くことがあります。信頼してくださっている分、気が引き締まる思いです。
この信頼を持ち続けてもらえるようさらに、誠意をもって看護をしていきたいと思っています。