訪問看護に花は咲く91

コロナ禍での様々な制限により人との交流が減ったという人が増えています。家族や友人との会話が多い人のほうが「健康状態が良い(主観)」という内閣府の調査結果もあり、人との交流やコミュニケーションの重要性を改めて感じます。
長男が大学生の頃の話です。グリークラブという男声合唱部に所属していました。年に1回の定期演奏会の場所はクラシックのコンサートなども行われている比較的大きな規模のホールでした。「こんな大きなホールで大学の部活の演奏会をやるなんて、そんなに観客は集まらないだろう」と思っていたのですが、毎回満員に近い状態です。中でも高齢者が多いのに驚きました。
長男にその理由を尋ねると『コミュニケーション技術』とのこと。高齢者が多く集まっている場所に行って演奏会の宣伝をすることが多いそうですが、話下手の長男にそんな技術があったのかと不思議でした。先輩から教えられたことは、「そうなんですね」「すごいですね」「相槌をうつ」の3つ。その技術を忠実に守って聞くうちに、その人の昔話になることもあるそうですが、ちゃんと演奏会にも来てくださるそうです。直接の関連はわかりません。家族や友人の多さではなく、「話を聞いてくれる人がいる」ことが大事なのかもしれません。