訪問看護に花は咲く102

無病息災を祈願する「やすらい祭り」

春の京都はさまざまな観桜行事に時代行列、花鎮(しず)めの祭りや大念仏狂言と、連日の祭礼が繰り広げられます。
それらの祭礼の一つに今宮神社の「やすらい祭り」があります。もともと今宮神社の祭礼ではなく、今宮神社の境内社である疫神社の祭礼です。平安時代、桜の散る頃に疫病が流行したため、花の霊を鎮めようと歌い踊り、無病億歳を祈念したのが始まりです。やすらい祭りの「やすら」は安穏、平穏無事の意味だそうです。祭りは花傘を先頭に巡行するのですが、桜の花とともに飛散する疫神を花傘に寄らせ、鉦(かね)や太鼓などで賑やかに囃し、踊って鎮め送るのだといいます。花傘の下に入れば病気にならないといわれるため、人々が入れ替わり花傘の中に入り、無病息災を祈願します。今宮神社のやすらい祭りの行列は光念寺を出発し紫野の街々を練り歩き今宮神社を目指します。
新型コロナウイルスはなかなか終息しませんが、このような祭礼とともに鎮まってほしいものです。2022年は新型コロナウイルスの影響で、祭りは神事のみ執り行い、一般参列は中止になっています。

<玉の輿のご利益>
今宮神社は徳川将軍綱吉の生母桂昌院(けいしょういん)が篤く崇敬しました。桂昌院が京都西陣の八百屋の娘から将軍の生母となり、高い(くらい)にまで上り詰めたことから、今宮神社は「縁結び」なかでも「玉の輿」にご利益があるといわれています。「玉の輿」の語源は、一説には桂昌院の名前が「お玉」であったことに由来するともいわれています。