訪問看護に花は咲く123

世の中が180°変わってしまったかのようなコロナ禍という言葉もかなり遠のき、世間は華やかなイルミネーションやお正月らしい雰囲気もみられます。街には人々が行き交い、観光客、とりわけ外国人の姿もたくさん目にするようになり、ようやくコロナ前のような活気が戻ってきました。

先日、小学生の長男の宿題を手伝う機会がありました。「総合」という教科で発表する簡単なレポートで、親の職業やその内容、仕事をしている時の思いや、願いを問われるものでした。今まで続けてきた自分の仕事を少し振り返るきっかけにもなったのですが、同時にある利用者さんのご家族からの言葉を思い出しました。それは、訪問看護日が祝日になった場合の対応の説明で、近年は月曜の祝日が多く、連休が増えても嬉しいことばかりではない、という話になり、「休みで外へ遊びに行く人がいたら、そこで働く人が必ずいるのにね」と仰ったことでした。当たり前なのですが、ほかにも様々な職業があり、それらを担う人々によって社会が成り立っていること、自分がこうして仕事を続けてこられたのには、利用者さんやご家族をはじめ、周りの方々の支えがあったからこそだということにも改めて気付かされました。

2023年もあっという間に過ぎ去り、ご自宅で療養や介護を続けておられる皆様にも色々なことがあったと思います。本当にお疲れ様でした。療養や介護・看護には、街なかのイルミネーションのような華やかさはありませんが、目に見えない苦労や努力、工夫、人と人との支え合いが詰まったものだと思います。新年を迎えても何ら変わることなく続いていきますが、お互いに体調に気を付けて、焦らずに踏ん張っていきましょうね。
2024年もどうぞよろしくお願い致します。

訪問看護に花は咲く122

近年高齢化と言われる中、認知症の方は2025年には5人に1人になると言われています。訪問している方の中にも老々介護、認々介護、独居で認知症、の方が増えてきています。

私事ですが、私の母(88歳)も6~7年前から認知症状が徐々に進行し、現在は、記憶障害(短期記憶の低下)や 実行障害(料理など複雑な作業が出来なくなる)等の症状が進行し、認知症の教科書通りに進んできている状態です。
89歳の父と2人で暮らしており、父は膝関節痛で立ち座りが不自由になってきていますが、掃除がマメに出来ない位で、その他の家事は最低限ですが何とかこなしています。それに加えて母への対応。少しづつ体力的にしんどくなってきている様です。
他府県のため、頻回には帰省が出来ていませんでしたが、最近は家事援助と父の精神的援助でできるだけ泊まりで帰省するようにしています。

父は母の事を「認知症だから仕方ないけど、時々イライラして大きな声を出してしまうことがある。」と言いながらも、できるだけ母のやりたいようにさせ、細かい事をいちいち言わずに、優しく付かず離れず見守るように接しています。
私はと言うと、これまで認知症について学習し、たくさんの認知症の方々と接してきたのに、身内だから??なかなか冷静に対応できないもどかしさがあります。そこで今一度、認知症について振り返ってみました。

◆認知症の人にやってはいけないこと
・怒鳴ったりしかりつける
・無理に思い出させようとする
・失敗したことを責める
・間違いを指摘する
・子ども扱いする
・行動を急がす
・命令する 強制する
・行動を制限し何もさせないようにする

◆認知症の人が喜ぶこと
・一番心地良い刺激は「笑顔」です。
笑顔で見つめられることに勝るものはない。一緒に楽しい時間を過ごして笑顔を見ることで精神的に安定する様です。わかっていたはずなのに・・・やってはいけないことばかりをしている自分の対応を反省しました。
これからは、父の対応を見習い、寄り添うことを心がけ本人の心地よさを意識しながら、優しい笑顔で接していきたいと思っています。

仲良くふたりで畑仕事

訪問看護に花は咲く121

記録的な暑さが続く夏がようやく終わりましたね。

夏の間は暑すぎてほとんど外出することがありませんでしたが、爽やかな秋晴れの空に誘われて久しぶりに山登りに行きました。標高552mの北摂の大峰山という山で、大文字山より少し高い程度の山です。
京都からは阪急電車とJRを乗り継いで行くのですが、電車の中には登山の服装のシニアグループが何組もいて、ぼーっとしていると見知らぬグループに紛れてしまいそうでした。シニアと言っても皆さんお元気です。姿勢も良くハツラツとしておられます。

事業所のある地域でも、最近は運動施設に通うシニアの方が増えているように思います。日本人の健康寿命(介護の必要がなく健康的に社会生活ができる期間)は2019年のデータで男性72.68歳、女性75.38歳です。一方、平均寿命は、男性81.41歳、女性87.45歳で、平均寿命と健康寿命の差は、「健康上の問題で日常生活に制限があり自立困難な期間」とも言われています。健康寿命を延ばしてこの差を縮めることが大切と言われています。

健康寿命を延ばすために毎日の生活で心掛けるポイントをご紹介します。

  1. 十分な睡眠時間
  2. 歩数を増やす
  3. 適正体重の維持
  4. 食事です。

このうち2.の「歩数を増やす」ですが、20歳から64歳は8000歩、65歳以上は6000歩が目標です。
しかし、6000歩や8000歩と考えると難しいですよね。早歩きで10分ほど歩くと1400歩ほど増えるそうです。これなら運動施設に通わなくても毎日の生活の中で達成できそうですよね。是非チャレンジしてみて下さい。