寄り添うこと・・・(94)

担当しているTさんは一人暮らしの女性。要介護5で生活保護を受給されています。自力で歩行ができず、家にいる時は終日ベッドで過ごされています。
4月からの介護報酬改定で様々な加算が上積みされたこと、ベッド上の排泄のため臨時でヘルパーが支援することもあり、支給限度額を度々オーバーするようになりました。限度額が超えないようにデイサービスを中止する等で対応してきましたが、週2回のデイサービスでの入浴ができなくなると、清潔が保持できず皮膚のトラブル等も発生します。ケースワーカーさんと相談し、「他人介護料」という制度を活用することになりました。

他人介護料とは、「介護保険、介護扶助及び障害者施策による居宅介護を利用可能限度まで活用し、それでもなお、介護需要が満たされない場合において、家族以外の者から介護を受けることを支援するために行うものである」(平成12年3月31日厚生省通知)とされています。この規定は今も変わらず適応されています。結果的に毎月支給限度額を超えた自費分はいったん本人がサービス事業所に支払い、翌月返金されるという流れになりました。

私たちケアマネジャーは、様々な制度を活用していますがその細部まで把握しているわけではありません。だからこそ困ったときに相談できる専門家との関係づくりが大切だと感じました。もちろん制度を知らなくても良いわけではありませんが、福祉には福祉の、障害には障害の、介護には各分野での専門家集団がいます。ケアマネジャーは利用者の「最後まで自分らしく生きたい」を代弁する役割があり、その実現のために多くのスタッフの力を借りています。しかしこれも制度あっての実現、介護保険制度をよりよくしていかなくてはならないと思います。介護報酬とともに支給限度額を引き上げること、1割負担~3割負担の定額負担制度を見直すこと等課題は山積みです。
何より命は平等であり、自分らしく生きる事は万人に保障される権利であることを、ケアマネジャーとして発信し続けたいと思います。

3年前に行った沖縄。今度行けるのはいつのことかな・・・