訪問看護に花が咲く6

昨年6月から9月まで訪問していたA子さんのお話です。

笑顔がすてきなA子さんはご主人と息子さんの3人暮らし。A子さんは脳梗塞後遺症のため寝たきりで自分の身体の向きも替えられません。足と背中に床ずれがあり、床ずれの処置と排便を促す援助のために週2回の訪問看護が開始となりました。息子さんは働いておられるため、ご主人が食事を作り介助し、おむつ交し、身体の向きも替えないといけません。糖尿病もあるため、毎日の血糖測定、インスリン注射も。忙しい毎日だと思うのに、一言も愚痴をこぼさず、介護を楽しんでおられるよう・・・
ご主人は事あるごとに、A子さんは昔はもっと美人だった事、一緒に登山したりして、仲良く趣味を楽しんでいた事などをよく話して下さいました。A子さん夫婦がしっかりと深い絆で結ばれている事が、ご主人のエネルギー源だったのでしょう。

 床ずれも少しずつよくなり、リハビリも少しずつ進んでいた9月。お昼の食事介助をされている時に急にぐったりされ救急車で病院へ。そのまま永眠されました。突然でした。

 後日訪問するとご主人は「私は毎日写真を見て泣いてばかりいる。でも、検死後帰ってきたA子は本当にきれいで笑っているようだった。」と言われた時、「今までありがとう。本当によくしてもらって感謝しています。私の分まで長生きして下さいね。」とA子さんの声が聞こえてくるようでした。

訪問看護で色々な場面に出会います。いいご夫婦との出会いに感謝です。天国のA子さん、ありがとうございました。ご主人を空の上から見守っていて下さいね。

*A子さんは要介護5 週2回訪問看護 週2回訪問リハビリ 週1回訪問入浴を受けておられました。 

訪問看護に花が咲く5

201312a今回は99歳でお1人でお住まいの女性の方です。右京区に息子さん夫婦がいらっしゃって日常の援助をしておられます。内科的疾患で病状観察や排便コントロールなどで訪問看護に入らせて頂いています。
訪問するといつもとびっきりの笑顔で迎えて下さいます。
「今は物があふれていて、人や物のありがたみがわからない人が増えてきている。いつか必ずまた、物がない時代が来ますよ。」とか、「今年は松茸が豊作やし息子に食べる!!買って来て!!と言ってあるねん。好きな物を食べておかないと、もう直ぐ食べれなくなるしね。昨日はマグロを食べた。美味しかった~。」「この前から大正琴を出して弾いてます。昔はダンスも習ってたんやで。」
「主人には苦労させられた代わりに今は2人の息子が大事にしてくれている。感謝してるんです」など99歳の人生から発せられるお話を有難く聞かせて頂き、人生勉強をさせて頂いています。
又、最近のお話の中で私たちの大先輩=看護師さんであったことがわかりました。先輩!!100歳もお元気で迎えて下さい。そして、これからも仕事や人生の師として、すてきな言葉を聞かせて下さいね。

201312b*Uさんは、要介護4 週2回の訪問看護30分 病状観察、背部への軟膏塗布や吸入薬介助、必要時排便を促す座薬の挿入を行っています。他にヘルパーさんによる入浴介助・調理・掃除などの援助を週5回受けておられます。

訪問看護に花は咲く4

35-1今回は、西賀茂にお住まいのOさん。Oさんはなんと103歳です。今年、脳梗塞を発症され、食事も食べにくくなり、最期は自宅で過ごしたいと退院されました。しかし、住み慣れた自宅、娘さんの献身的な介護もあって、自宅に戻ってからは食事が進むようになり、徐々に活気も出て、ベッド上で座れるようにもなりました。
Oさん宅は、娘さんと息子さんの3人暮らし。息子さんも脳梗塞後で麻痺があり、食事やベッドの横にあるトイレを使用するのも介助が必要です。娘さんは、お母さんと弟さんの二人を一人で介護している状況です。私たち訪問看護では、週2回排便援助に入らせていただいていますが、娘さんもお手伝いをしてくださり、その際、「あっち向いて~」などの言葉に即興で節をつけ、歌ってくださいます。娘さんの歌を聞きながら本当に穏やかな時間の中での援助、訪問の度にこちらが癒されます。
日々の介護は本当に大変だと思います。その中でも、介護を少しでも楽しくされている娘さんの姿をみて、大変な中でも「介護を楽しむ」というものを感じました。私たちも療養者さんや介護している方を、癒せるような存在になりたいと思います。

*Oさんは要介護度5 訪問診療1回/2週 訪問看護2回/週 訪問入浴1回/週 訪問介護2回/日を介護保険で受けておられます。