訪問看護に花は咲く14

14-1Kさんは奥様と二人暮らし。椅子や手すりなど自分で作ってしまう手先の器用な方です。Kさんは大きな火傷を負い皮膚移植をされYか月前に病院から退院して来られました。医療度が高く、1週間に4回の訪問看護が開始になりました。火傷の処置・シャワー浴・痛みどめのコントロールのお手伝いです。訪問日以外は病院での処置や奥様が処置を行いました。
火傷の範囲が広いこと、これから予測される感染症など様々な問題があり元の生活に戻れるようになるには相当な期間を要すると思われました。ご本人は痛みや不眠や痒みで辛い日々が続き意欲が低下し会話も少ない状態でした。しかし火傷の状態が少しずつ改善し畑仕事ができるようになられ「ナスやキュウリが沢山とれたで。次は大根や。」と元気な声が聞けるようになりました。

まだ火傷のひきつれた感じや痒みが少しありますが現在、週3回の処置で快方へ向かっています。これもご本人の頑張りと奥様や娘さんの励ましと支えのおかげだということを私たちはよく知っていますよ。そこに微力ながら私たちもお手伝いできたことをうれしく思います。
 
これからも私たちはケアマネジャーさんやサービス事業所の方と協力しながらご本人やご家族の力を引き出し、そっと寄り添っていける看護をめざしていきたいと思います。

14-2(Kさんの作品の数々です)

訪問看護に花は咲く13

201408今回ご紹介するのは90代の女性Nさんです。Nさんは娘さんと二人暮らしです。由緒あるお寺の娘さんとして育ちました。初めてお会いした時はとても高貴な感じの方で話にくい方なのかな?と思っていました。
ヘルパーさんと一緒に清拭、洗髪、足浴等のケアをさせて頂いています。いつも玄関まで行くとヘルパーさんとNさん娘さんの笑い声が聞こえてきます。「今日はダイマルまで行ってサンダル買ってきたの、タクシーで行ってすぐ帰って来たのに、あんた私をほっといてどこ行ってたんや、悪い娘やろ」そこからいつもの娘さんとNさんの漫才みたいなやりとりが始まります。Nさんは現在終末期です。酸素をして腹水が溜まって、心臓の機能もかなり弱っておりいつどうなってもおかしくない状態です。娘さんもそれをよく理解されており最期まで自宅で看取る覚悟でおられます。Nさんは、今とてもしんどい状態で「眠れない、お腹が痛い、息苦しい」などの訴えが常にあります。それでも笑顔で冗談を言って私達を笑わせてくれようとして下さいます。娘さんも殆んど休めていない状況で座って居眠りしてテーブルで頭を打つ事が何度もあったそうです。Nさんは「昔はよくもてた、先生にもひいきされていた。今からでも若い男の人つくろうかしら」と笑って話されます。お若い頃の写真を見せてもらいましたが本当にべっぴんさんです。娘さんにとっても自慢のお母さんだと思います。

201408-1私達看護師は清拭などの他に背中のマッサージをしています。それをとても喜んでくれていつも「気持ちいい、ウエストが細くなった気がする」とおっしゃって下さいます。これからもお二人が笑顔で過ごせるよう、気持ちいい看護を提供していきたいとおもっています。若かりしときのNさんです。

訪問看護に花は咲く12

kaigo8今回ご紹介するのは原谷にお住まいの90代の女性Aさんです。
Aさんは息子さんと二人暮らしです。2年前にお家で転倒され大腿骨頸部骨折されました。その後寝たきりになり殿部に大きな床ずれが出来ました。翌年尿路感染にて入院、おしっこの管をいれたまま退院されました。その間に床ずれも悪化し、おしっこの管もしょっちゅう詰まるようになり訪問看護が入りました。訪問看護開始当初から2日寝ては2日起きるサイクルを繰り返えしていました。床ずれも大きくて治らないんじゃないかと先生に言われていたそうです。

私達訪問看護は週一回だけの訪問で床ずれの処置とおしっこの管の洗浄に行っていました。どれもAさんの嫌な事ばかりでAさんに怒られることもしばしばありました。私達が訪問する以外は息子さんが懸命に介護されていました。その甲斐あって今年7月初旬床ずれが治りおしっこの管も抜ける事が出来ました。

kaigo8-2そんなAさんですがお元気なころは旅行が大好きで日本は勿論のこと海外はイギリス、フランス、ドイツ、ポルトガル、数えきれないくらい行かれお友達も沢山おられました。残念ながらAさんとコミュニケーションが取りにくい状態で旅行のエピソードはきくことはできませんでした。しかし息子さんがいつもその頃のことをとても楽しそうにお話しして下さる笑顔をみているとAさんが一番輝いていた時なんだな!と想像させられます。これからも息子さんと仲良くお過ごしください。