訪問看護に花は咲く20

北区に住むAさんをご紹介します。
Aさんは、大正11年生まれの93歳男性です。
動くと息切れがあり、週に2回入浴の介助に伺っています。
Aさんは45歳で脱サラし、会社を立ち上げ、今は会長として経営にも現役で関わっておられます。

4-2京都らしい格子戸のある「一間路地」のご自宅には、いつも素敵な日本画や娘さんが生けられるお花が飾ってあり、きちんと三つ指を付いて挨拶して下さる奥さんと3人の娘さんが交代でお世話されています。
社長さんとして、また、戦争中は、激戦地のレイテ島でのわずかな生き残り兵として、様々な困難があったとお聞きしていますが、Aさんの素晴らしい所は、今までの事、今の事すべてを穏やかで優しく、それでいて見るべき所はきちんと見る目を持っておられる所です。

私達看護師にも、決して上から目線で無く、いつも丁寧な言葉で接して下さいます。
周りの人への心配りで、周りの人も気持ちよく接してくれる。そんな心地よい循環の中で、私も生きたいと思うこの頃です。   

Aさんは要介護4。訪問リハビリを週2日、訪問看護を週2回利用。
他に、車いすと取り外しの出来る手すりのレンタルを利用されています。

訪問看護に花は咲く19

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ご存知のように我がステーションの訪問看護師は、
全員スクーターで訪問に回っています。

雨の日も風の日も…
そしてこんな日も…

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さすがにこれでは走れません。
この日の訪問は徒歩で周りました。
息を切らせて辿りつくと
「こんなに手が冷たくなって」と手を取って温めてくれました。
慣れない雪の中を歩くのは大変です。
しかし待ってくれている方がいるから、かんばれるのです。
これからも安全第一で皆様のもとに伺います。
(安全第一で訪問しています。天候によっては伺えないこともありますのでご了承ください)


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この日の万歩計。
未だにこの記録は破られていません。

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1502-a私は、訪問看護をしている看護師です。
訪問看護業務は、排便の援助や薬の管理、床ずれの処置など、実に多岐に渡りますが、忘れてはならないのが入浴の介助です。そして何を隠そう、私はこの入浴介助がわりと好きなのです。

夏は介助している間に汗が滝のように流れ、「自分もついでにシャワーさせてもらって、上がり際にビールでも一口・・・」という気分が味わえ、冬場は冷えきったタイルの上に素足で踏み込む緊張感なんかが味わえるという体力勝負の仕事です。

もちろん大変なことばかりではなく、背中を洗っている最中、「あ~、気持ちいい」と言ってもらえたり、お湯にドボンと浸かられた時の「ああ~・・・!」という何とも言えない声を聞いた時などは、「やっててよかったなあ」と感じる瞬間です。また、ご利用者様の身体や皮膚に異常や変化がないかなどを自然と確認できる機会でもあるのです。

お湯に浸かられる瞬間、その方の素直な思いが表現され、笑ってしまうこともあります。あるご利用者様は、「ああ~、パラダイスやな~!」
またある方は、「あんたも一緒に入り。あかんのか?」
「朝から風呂なんて贅沢やな。朝湯、朝酒、庄助さん・・・(歌いだす♪)」
        ・・・なんて方もいらっしゃいました。

お風呂に入るまでが億劫でご機嫌の悪い方も、いざ入ってしまうとニコニコ顔で上がって来られる。垢だけでなく心のトゲトゲまでも洗い流してくれる気がします。身体を拭くだけでは得られない、日本人が愛してやまない入浴の醍醐味がそこにあると思います。

住み慣れたお宅で、心も身体もほっこりとしてほしい。これからもたくさんの笑顔が見られるよう、お風呂のお手伝いを続けていければと思っています。

※何らかの理由により、入浴したくてもできないご利用者様には申し訳ありません。