寄り添うこと・・・(87)

コロナ禍で本当にケアして欲しいこと

去年2月末に突然要請された一斉休校で、3月2日から5月31日までの約3か月間、子どもたちの自粛生活が余儀なくされました。

自宅で机に向かって勉強ができた子ども達は素晴らしいと思いますが、残念ながら我が子にとっては、スマホに向かっている時間だけが増えたように思います。就労する親にとっては、幼児を一日中家に残し、給食がないので自宅での食事を準備しなければならないという家事負担も大きかったです。仕事を終え帰宅すると、パジャマ姿のままの我が子を目にしても叱るに叱れない現状がありました。この自粛期間が、後に子供たちに与える影響はないだろうか、少し不安に思うのは私だけでしょうか。

その後はアベノマスクの配布、GoToトラベル、GoToキャンペーン、ようやく1年経とうとする今、新型コロナの感染の静寂はまだ見通しが立ちません。
特にアベノマスクについては、不織布マスクを洗って干して何度も使っている医療・介護現場を目の当たりにして、現場の求める本当のニーズに適合していたのか疑問です。

また、自粛生活の子どもを置いて働きに出なければならない実状に、本当の意味で子ども達を守る政策があったのでしょうか。
コロナ禍のいくつかの政策をみていて、やはり支援のあり方には疑問が残りました。

今ようやくワクチン接種の情報も流れていますが、アメリカのファイザー社、モデルナ社のワクチンも検討されています。しかし本当に正しい情報が得られないまま接種するのは不安が強まるばかりです。

確かにこのような未曽有のウィルス感染の未来は誰にもわかりません。
だからこそ責任ある政府は、国民を守る代表として子どもたちの未来、高齢者の生活を一番に考えた政策をして欲しいと切に願うばかりです。

寄り添うこと・・・(86)

厚生労働白書 令和2年版を読んで思うこと

「厚生労働白書」は、厚生労働行政の現状や今後の見通しなどについて、広く国民に伝えることを目的にとりまとめており、平成30年版は、平成13年(2001年)の「厚生労働白書」発刊から数えて18冊目となります。

平成の30年間で、三世代世帯が約4割から約1割に減少するなど、世帯構造は大きく変化 。「日頃のちょっとした手助けが得られない」や「介護や看病で頼れる人がいない」など、 生活の支えが必要と思われる高齢者世帯は、過去25年間で3.5倍程度増加。今後25年間でさらに1.5倍程度増える見込み。更には、2040年、就業者の約5人に1人が医療福祉分野で必要に。需給両面の改革が必要とも書いてあります。

コロナの影響で、2020年1-10月の「老人福祉・介護事業」倒産は、すでに104件(前年同期比10.6%増)に達し、このままでは年間最多の111件(2017年と2019年)を上回ることがほぼ確実とされています。倒産だけでなく、休廃業・解散は、倒産を上回る勢いで増えており、2020年1-8月で313件(速報値、前年同期比19.0%増)に達し、年間最多を記録した2018年の445件を上回る勢いです。

2021年の介護報酬改定では全体で0.7 %のプラス改定が決定されましたが、果たしてこの程度の小幅改定でコロナ禍における介護福祉事業の継続が盤石と言えるのでしょうか。
福祉業界の平均年収は全産業の平均年収から100万以上は下回るとの調査報告もあります。
制度の締め付けも多く、こんな状況で介護の担い手が必要数まで増えるのでしょうか。
更にはコロナの影響で地域の居場所や繋がりまでも破綻しており、地域共生社会の構想にも影を生んでいます。介護に従事する私たちも政策の動向に目を向け、利用者様やご家族、私たち自身の将来のためにも意見を述べなければならない責任があると痛感しています。

↑介護ウェーブより

寄り添うこと・・・(85)

ケアマネジャーのお仕事って・・?

包括支援センターで7年間経験を踏みまして、居宅に異動。四ヶ月目の新人ケアマネジャーです。皆様は、ケアマネージャーのお仕事にどんな印象を持っておられるかな?と思い、少しメディアの情報などを活用し調べてみました・・
「介護職より給与水準が高い!勤務時間の融通が利く!体力がきつくない!」と・・
また、仕事内容については「ケアプランの作成、利用者さん及び事業所との連絡調整、給付管理」と非常にシンプルに括られておりました。また、掲載の写真は、綺麗なスーツで着飾った、旅行代理店のようなお姉様の姿・・・。
間違ってはいなのだけれど、何か違うかなぁ?と感じました。
実際の事務所(現場)はいつも雑然、電話が鳴りっぱなし、てんてこまい!確かに、身体は移動の際にしか使いませんが、口と手と頭は一日フル回転。私の舌は、どれだけまわるのだろう?と自分でも驚くほどです。一つの出来事が動くと、それに伴って、いくつもの連絡調整、事務処理作業がお供してきます。また、孤立無援社会と呼ばれる情勢のなかで、独居の方の支援に携わる時は、サービスでは埋めることの出来ない様々な支援が必要になってきます。非常に多岐に渡り、その専門性、連携力、人間性を求められる仕事だと感じます。平均給与についても調べてみましたが、一部の事業所や企業参入で介護職より水準が高いとイメージがありますが、私自身も含め、周りの同職の仲間も共働きで生計を立てている世帯がほとんどです。また、実際は収支率差が最も低いのが居宅介護支援で、全サービス中唯一の赤字経営となっています。
2025年をピークに国内の高齢者数は増加の一方を辿ります。かたや、年々ケアマネジャーの受験者数、なり手が減少している背景には、文頭のようなシンプルな内容、好待遇だけでは働けない、複雑さや難しさ、奥深さがあるように思います。これからも経験年数を重ねながら、ケアマネジャーのお仕事について考え続けていきたいと過ごす日々です。