寄り添うこと・・・(83)

コロナ禍で悶々と思う事

我が家の彼岸花

「ケアマネジャー」という雑誌でこんな記事を見つけました。
実在の話です。登場人物は、要介護のお父様と喘息のお母様そして息子様。
息子様がコロナに感染してしまったのですが、早くからコロナ感染を疑い、かかりつけ医、基幹病院、帰国者接触者相談センターを駆け回っていたのですが、なかなか検査してもらえず、検査に結びついたのは1週間後。
その後が大変だったようです。会社を経営していたのですが、感染したことを従業員に非難され、世間に非難されました。
介護保険に関することはほんの短い文でしたが、「息子が陽性だとうわさが広まったのだろう、介護サービスを拒否されたり、かかりつけ医以外の病院で診察を断られたりする事態となった」という事に目が留まりました。
これは現に私たちの身の回りで起こっている事なのです。コロナの第1波が過ぎて再び増えてきたとき、第1波よりも、利用者さんや、サービス事業所の職員その家族など、より身近なところで感染や濃厚接触者、その疑い者の名前が聞こえるようになったと思います。

利用者の名前が挙がった時にはケアマネジャーとしては、特に訪問介護サービスが予定通り提供してもらえるのか、事業所との交渉?お願い?お伺い?をしますが、在宅介護の要である事業所からは「行けません」の返事。「しかたないかな・・」という気持ちもあるが、「そんな馬鹿な・・この人は(利用者様)どうしたらいいのか・・」というのが正直な気持ちです。しかし、事業所の言い分も分かります。「少ない人数でやっているので、もし職員が一人でも感染したら事業運営が継続できなくなる。職員を守るのも事業所の役割」・・確かにそうです。
でも、やっぱり利用者さんは困っているのです。
訪問介護に対する感染予防のための教育や感染予防グッズの支給など、当たり前にサービスが提供できる(受けられる)介護保険であるべきだと思います。

寄り添うこと・・・(82)

暑い夏、コロナ禍で起こる様々なことについて

私の家時間の紹介

梅雨明けが遅かったせいか、毎日38度を記録する暑さが今も続いています。
こんな日は、いや随分前から(コロナ禍における)私の家時間は、ピザと俳句作り。8月7日から久々ににぎわった待鳳サロンでの平和展にも、愚作の俳句を3首出店しました。

笹の葉に平和の短冊を飾りました。私の俳句もあります。

通所施設等のコロナ感染拡大予防対策の徹底

さてケアマネジャーとしてどうしても腑に落ちないことが最近ありました。介護報酬の上乗せを認める「特例措置」(厚労省第12報)の突然の通知です。施設では現在、備品類の消毒と換気、体温測定や手洗いの奨励、マスクの着用や送迎時の人数の規制など、コロナウィルス感染拡大の予防対策を徹底しています。一方、3蜜対策における通所サービス等の利用の手控えや、利用者数の制限等で収入が減り、運営に支障が生じているのも事実です。

国の「特例措置」で介護現場が混乱

この減収対策として国は、デイサービスやショートステイ等に介護報酬の上乗せを認める「特例措置」を通知し、事業所が算定すると利用者にもその一部負担の支払いが生じることになったのです。感染拡大を予防しながら介護サービス事業所を運営することはとても重要です。時間も経費もかかっています。しかし、利用者にその負担を強いることは別問題ではないでしょうか?「利用もしていない時間延長の支払い」や「支給限度額を超えて実費が発生」するような矛盾があちこちに起こっています。

利用者負担のない措置の実現

「利用者負担はおかしい」という多くの声や民医連の運動の成果で、長野県飯田市は利用者負担なく介護事業者を支援するため補助金の交付を行うことになりました。私たちも京都市ともっと話し合い、困っている事例を伝え、懇談できる関係を作っていくことが大事だと感じています。当たり前に利用者負担を強いる国の在り方を、行政や市民の力で変えることができることに、大きな勇気をもらいました。みなさん、頑張りましょう!

手作りピザ。だんだん上手になってきました。

寄り添うこと・・・(81)

認知症患者の損害賠償

認知症の方が他人にけがをさせたり、物を壊すなどして賠償金を請求される場合があります。07年に高齢男性が愛知県で列車にはねられ死亡し、遺族が鉄道会社から振り替え輸送費など約720万円の支払いを求められるという事がありました。16年の最高裁判決は「家族に賠償責任はない」という判断でしたが、状況によっては介護中の家族が責任を問われる可能性がある、という事です。
そんなお金払えませんよね。
そこで京都市は今年の8月から、日常生活賠償保険の保険料を公費負担してくれる事になりました。公費で保険料を負担する自治体は全国で増えてきているそうですが京都府内では初の導入という事です。(京都新聞7/28付けより)
このサービスは元々ある「高齢者あんしんお出かけサービス」という、行方がわからなくなる恐れがある認知症患者の家族に小型のGPS端末を貸し出す事業で、利用料は月1500円です。その利用料はそのままで、日常生活賠償保険を付帯するというものです。
詳しく知りたい方は、ケアマネジャー、もしくは区役所の健康長寿推進課まで。