寄り添うこと・・・(11)

同居の1人息子さんが恋に落ちた!その時障害を持ったご両親は

kango8穏やかに暮らしていた親子3人の暮らしに母親の病気を機に生活が一変しました。8ヶ月間の入院リハビリでやっと自宅で生活をする事ができましたが、3年目に頼りにしていた息子さんに恋人が出来て恋人宅に移り住むようになってしまいました。

息子さんを別居としてプランを立てたのですが、息子さんが不在となった事で母親の葛藤が始まりました。不安と寂しさ、苛立ちと事実を受け止めるには1年間の時間が必要でした。息子さんに「施設に入るか?!」と言われた事がショックだったようです。
結局、母親の一番の希望である「息子さんに家に居てほしい!」を叶える為に、お弁当を止めて夕食のお惣菜を息子さんに購入してもらい、親子の団欒の時間を持つ事にしました。
退院当初のような、母親思いで優しかった息子さんの笑顔や家族の団欒は少なくなってしまいましたが、支援者だけのプランでなく、1人息子さんの役割として「夕食のお惣菜購入」を粘り強くお願いしました。時には息子さんに「無理!」と怒られる事もありましたが・・・
またご夫婦2人共障害を持っておられる為に、金銭管理や日常生活すべてに支援が必要となりました。早速関係者との話し合いを進め①権利擁護②成年後見人の申請をして行きました。

訪問時に親子3人で、笑顔で会話されている風景を見るとほっとして「良かった」と思う今日この頃です。
このケースを振り返って思う事は、4年前の退院時カンファレンスで主治医の先生より「退院して3ヶ月間在宅で生活出来たら優秀です」と言われた言葉です。重度障害を抱えながらほんとによく頑張って来られたと思います。

まだまだ在宅での生活を希望されています。
支援者どうし連携を取りながら、出来る限り安心して自宅で暮らしていく事が出来るように寄り添って支援して行きたいと思います。

寄り添うこと・・・(10)

ケアマネの仕事をして良かった!

Mさんと出会ったのは入院先の病院でした。初対面の印象は、年齢は70代と若々しく、自分の思いはしっかりと伝えることができる方ということでした。病状も安定したことから、Mさんの希望していた在宅生活の支援のサポートをすることになりました。
待ちに待った自宅での生活でしたが、Mさんは毎日苛々していて、どのサービスに対しても不満の訴えがありました。私は、Mさんが今何に苛々しているのか、どのような生活を望んでいるのか、将来どうありたいか、Mさんの思いをもう一度しっかりと聞くことにしました。Mさんは、現在動けない状態に対し苛立っておられ、以前のように友人と外出をしたり、温泉に行ったり、いずれは里帰りがしたいという思いがありました。再度スタッフ全員と話し合い、Mさんの目標に向けたサービスの取り組みを行いました。

訪問リハビリ⇒まずはベッド上で足の力をつける
訪問入浴⇒ゆったりと湯につかることで日ごろのストレスを癒す
訪問看護⇒体を清拭し、マッサージで両足の浮腫を改善する
訪問介護⇒迅速な動きで本人の意向に沿った生活全般の支援

002そして、2年経った現在、Mさんは、自宅内を歩行できるようになり、デイケアへも週に1回行けるほどになりました。デイケアでも、友達ができ、活気に満ち溢れています。
医療、介護のサポートにより、本人の望む在宅生活が実現しました。今後もMさんの新たな目標に向かって、スタッフ全員でサポートを行っていきます。ケアマネジャーだけでは、到底できないことが、他職種が一丸となって取り組むことにより実現できます。これからもMさんの思いに寄り添いながらサポートしていきたいと思います。私にとって、チームで一つの目標に向かって連携し協力しあい、利用者の方が、少しずつでも目標が達成していけることが、「ケアマネの仕事をしていてよかった」と思える瞬間です。

寄り添うこと・・・(9)

消費税があがって・・

201405-2つい先日のこと、高3の長女が「324円頂戴な」と言うので何のことかと思いきや、「100円のパンを3個と消費税が24円」とのこと。当然のことながら100円のパンにも1個あたり8円の消費税がついて回ります。子供にとっても消費税24円の自腹はばかにならない金額だったのでしょうが、積もり積もっていく消費税の重さに不安は広がる一方です。


今、国会で医療・介護総合法案が

それとあわせて今国会で「医療・介護総合法案」が審議されており、参議院で可決されると来年から実施されることになります。医療保険制度と介護保険制度がからみあった大改悪です。病院はより一層患者の早期退院を迫ることになり、在宅で重度の方を24時間介護する。そのシステム作りのために、まずは軽度者(要支援認定を受けた方)の予防給付を地方自治体に肩代わりさせて大幅な予算削減を計画しています。201405-3私たちが関わる要介護認定を受けている方々にも関係があります。
特別養護老人ホームへの入所基準を原則「要介護3以上」に限定する、一定所得以上の人(年収280万)の介護サービス利用料を2割負担にする、ショートステイや施設入所の際に食事代や部屋代が減額される制度に資産を勘案する(単身で1000万円の預貯金があれば対象外)などです。負担は増え続け、行く先の見通しが立たず、不安が広がっていきます。

法案の内容を知らせましょう!そして声を上げていきましょう!

残念ながらまだまだその内容が知らされていません。私たちケアマネジャーも利用者やその家族、地域の方々に署名を集めて内容を伝えてきました。今は衆議院と参議院に抗議のFAXを送り続けています。黙っていてはやりたい放題の政治を助長することになると思います。消費税も介護保険も年金も医療保険も、私たちの命と暮らしに直接つながるものです。6月の採択までまだ時間はあります。諦めずに、ぜひ声をあげていきましょう!