寄り添うこと・・・(17)

1502-b元日のTELに私は驚いてしまいました。
愛媛県に住んでいる友人から電話で「今年の4月の一斉地方選に立候補するわー」「もう小さな集会で演説してるでー」と元気の良い一声で、びっくり仰天!
長い事、京都で看護師として働いていた仲間の一人でした。
急に昔の事が思い出され、看護婦闘争や老人医療費の無料化を要求にデモや集会に出かけた事が懐かしく思い出されました。

今の介護・医療の現状に我慢できない!自分に出来る事がやっとはっきりした!と明るく元気に話していました。

社会保障制度・医療改悪で多くの人が老後に不安を抱えている現状で、ほんとうに困っている利用者さんが、お金の不安や次の住処の心配することがなく人生の最後が迎えられる世の中であってほしいと日々ケアマネージャーをしていて強く感じています。

住み慣れた「家」で最後まで暮らし続けるにはあまりにも受け皿が少なく、在宅と入院の間の中間施設の充実がやっぱり必要だなと思います。
施設難民が更に増えると言われている今日、老々介護、介護退職と一人で抱え込んでしまう環境が余りにも多い現状であると思います。
特別養護老人ホームの増設や介護職の労働条件を良くして、利用者にとっても働く職員にとっても‘安心して暮らせる’‘働き続けられる’環境にすこしでも近づくように、社会保障制度の改善へ出来る事をして行きたいと思います。

60歳定年を迎え更に新しいことにチャレンジする古き良き友達に拍手!

追伸;友人の話に耳を傾けている人が元気になるように明るい色のスーツをプレゼントします。

寄り添うこと・・・(16)

12-13年前に母親が亡くなり、一人暮らしになった父親が急に認知症が進行し、徘徊を繰り返し、警察で保護されて夜中に迎えに行くことも度々ありました。迎えにいくと、不安げな表情の父親の顔…今でも辛い気持ちになったことを覚えています。その頃は、父親の喘息発作も頻繁に起こる状況でした。
しばらくして特養入所が決まり、はじめは新しい環境に慣れるのか心配していましたが、もともと明るい性格で他の利用者とも馴染みとなり、3年経った今では「お前(私)のとこに行きたいが、友人が寂しがるのでいけない」と私の家にもなかなか来て貰えないほどです。

父親の趣味は、野球観戦、買物。好きなものはビールと魚です。施設の職員は、色々な趣味や嗜好品など聞き取りをし、父親の望んでいることを一つ一つ実現させてくれています。野球観戦にはお弁当を持って西京極球場へ、買物にはショッピングモールへ外出、そして魚定食を食べにランチへ。ビールに関しては、敬老会などのイベント時に、ノンアルコールビールで乾杯!しています。

「寄り添うこと」もちろん私達、在宅のケアマネジャーも心がけて接していますが、施設では在宅とまた違った毎日の生活に直面した寄り添い方があるのだと、父親を通じて感じました。
入所時、父親の喘息発作時用に準備された酸素は、3年間、1度も使用されることなく部屋の片隅に置かれています。病状の安定、父親の笑顔、どれだけ精神的に安定しているのかと感謝しています。
「寄り添うこと」の大切さを学ばせて頂いています。私もケアマネジャーとして、その人その人の思いを大切にした支援を行っていこうと思います。

寄り添うこと・・・(15)

私事ですが、母親は80歳で一人暮らし。急性虫垂炎の手術後、やっと介護申請をしました。今は週1回ヘルパーさんの援助を受けています。あっさりした明るい人柄でおしゃべり好きです。(毒舌家とも・・・)
父親が亡くなったときはどうなるかと思うくらい沈み込んでいましたが、半年後には父親が残した膨大な日記や書物、美術書などをすべて処分してしまいました。たとえ亡くなったとはいえ、父親の日記を読む気持ちにはなれない私とは違って、生前から母親は勝手に父親のそれを盗み見していました。「ははは、また『今日で酒は止めよう』って書いてあるわ。毎日おんなじことよう書くわ」と笑いながら。

父親は外面が良く内面は頑固で変人。酒を飲むと気が大きくなり、政治や文学、絵画の話を楽しげに語り、「日本の詩歌」を持ち出しアカペラで歌いだすような人でした。どちらかというと私は父親の生き方や性格に類似しているのではないかと思うときがあります。だから母親には違和感や憧れが強く、父親には親近感や嫌悪感を抱いていました。しかし人生の節目節目で選択を迫られたとき、自分が決めた道を応援してくれたのが父親であり、決して自分の考えを押し付けることがなかったように思うのです。ケアマネジャーとしても然り。一人一人生き方や考え方が違うのが当たり前。それを尊重し、最後まで自分らしい人生を謳歌できるように応援する仕事ではないかと感じています。たくさんの高齢者の方々との出会いが、私自身を豊かに謙虚にしてくれたと実感します。今後も様々な人生の一片に教えられ続けたいと思います。