寄り添うこと・・・(37)

どうなっていく?介護保険

1102日中の寒暖差を感じるようになりましたね。
このところ、新聞等で介護保険のことを目にすることが多くなってきたのではないでしょうか。
前回は2018年からの改定内容をお知らせしました。今回は昨年の改定内容について、振り返りたいと思います。


  1. 介護保険料が2倍に!
    2000年に介護保険がスタートして、介護保険料が40歳以上の国民から徴収されることになりました。
    2000年では京都市の介護保険料平均2958円であったのが、2016年の現在では京都市平均6080円に上がっており、2倍以上の額になっています。(都道府県により金額の差があります)
  2. 昨年4月からの改悪についてお知らせします。
    • ① 要介護1以上であれば特別養護老人ホーム申込みでき、待機することができる。

      ①特別養護老人ホーム新規入所は、要介護3以上の申し込みとなる。
    • ② 介護サービス利用料は所得に関係なく利用料1割負担

      ②合計所得160万円以上
      (年金収入では280万円以上)の人の利用料が2割負担に変更
    • ③ 低所得者は介護保険施設、ショートステイの部屋代、食事代の補助がある。

      ③非課税世帯でも配偶者が住民税課税されている、単身で預貯金が1000万円以上ある方は介護施設ショートステイの食事、部屋代の補助打ち切りとなる。

※今後、要介護1.2の方についても介護保険から外し、切り捨てを行うなど更なる改悪を国は考えており、何としても阻止していく必要があります。住み慣れた地域で安心して介護が受けられるよう、私たちは介護ウエーブに取り組みます。
皆様と共に、「介護保険制度の見直しに対する請願署名」を行っていきたいと思います。署名にご協力をお願いします。

寄り添うこと・・・(36)

10p-1あの暑い夏はどこへやら、朝晩はすっかりと涼しくなりました。ケアマネジャーとしては、もう年末のことを考えながら業務を組み立てる時期なんです。本当に1年ってあっという間ですね。
先月のことです。要介護1でヘルパーを利用しているAさん宅を訪問すると、挨拶もそこそこに「来年から要介護1.2が使えなくなるってほんまか?」と慌てた様子で聞いてこられました。正しくは、来年の1月から始まる通常国会に、更なる介護保険法の改悪案が出されようとしており、2018年から実施される予定です。今秋からいよいよ本格的な審議が開始される介護保険の見直し案。それはかつてない規模や内容の改悪です。Aさんが不安でたまらない気持ちになられるのは当然です。今回はその内容についてお伝えしていきたいと思います。

  1. 利用料負担の引き上げ
    「65歳~74歳」の利用料を2割に引き上げ。「75歳以上」の利用料については引き続き検討。→昨年8月から所得による2割負担が始まりました。(年金収入280万以上の方が対象)今回は年齢による引き上げとなり、昨年とは比較にならないくらいの大きな影響が生じます。
  1. 福祉用具貸与の費用の在り方の見直し
    原則自己負担(一部補助)=償還払いの仕組みに切り替える。保険給付の割合を大幅に下げるとしています。いずれにしても償還払いになれば、費用の全額をいったん支払うことになります。
  1. 要介護1,2の生活援助の見直し
    原則自己負担(一部補助)=償還払いの仕組みに切り替える。「買い物」「調理」について保険給付そのものから外す方針(配食サービスによる代替え)との報道も。
  1. 軽度者へのその他給付の在り方の見直し
    要介護2以下のサービスを地域支援事業に移行させる。財務省は将来的に介護保険制度を要介護3以上の中重度を対象とする制度に変えようとしています。

私たちは「改悪法案を作らせない、国会に上程させない」ことを目標に、介護ウェーブにとりくみます。すべての利用者・ご家族や、地域の方々にも「利用者・家族のひとことカード」「介護保険制度の見直しに対する請願署名」の協力をお願いします。

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利用者・家族のひとことカード(PDFファイル)
介護保険制度の見直しに対する請願署名(PDFファイル)

寄り添うこと・・・(35)

臨時福祉給付金・年金生活者等支援臨時福祉給付金について

「臨時福祉給付金手続きはこちらで」と表示された簡易スペースが、役所入り口付近に設置されているのを見た方もいると思います。
臨時福祉給付金とは、消費税引き上げによる影響を緩和するために「臨時的な処置」として給付金を支給するという制度で、順次対象者に申請書が郵送されています。もちろん、手続きを行わなければ給付金を受け取ることはできません。

臨時福祉給付金 の支給対象者は、H28年1月1日時点で京都市に住民票があり、H28年度の市民税非課税の方。ただし、自身を扶養している人が課税の場合と、自身が生活保護を受給している場合は対象外です。支給額は、一人3000円(1回限り)です。

年金生活者等支援臨時福祉給付金の支給対象者は、H27年1月1日時点で京都市に住民票があり、H28年度中に65歳以上、市民税非課税の方。対象外については臨時福祉金と同様で、支給額は一人30000円(1回限り)です。

申請受付期間はH28年8月2日~H29年2月2日。提出後1~2カ月後に指定された口座に上記金額が振り込まれるしくみになっています。が、一人暮らしで郵便物の仕分けが困難な高齢者の方は、自力での申請はできません。対象者であっても受け取れない人はたくさんいると思います。

担当している利用者さんのご家族から、「消費税が上がるごとに、夕食のオカズが1品減る。余分なお金はないから、食費を削るしかないのよ。」と聞きました。
現在の日本では、高齢者の25%が貧困(年間収入160万以下)状態で、この5年間で160万人も増加しました。アベノミクスは間違いなく貧困率を加速させています。給付金という一時的なばら撒きではなく、増税そのものを見直してほしいと思います。