寄り添うこと・・・(60)

とうとう40歳と10か月が過ぎ、私事で恥ずかしい話ですが脳の衰えを感じるようになりました。脳だけでなく、肌も身体などいたるところに…。世間ではアンチエイジングという言葉もよく耳にするようになりましたが、生き生き若返りということに諦めを感じている自分が、ある文庫本を目にし、とても印象付けられた事を皆さんにも紹介したいと思います。

脳の作業領域を机にたとえて、その机が小さくなることを老化と言っています。小さな机では、ノートを広げても作業が進まず、計算速度も落ちて、そもそも作業する気すら湧いてきません。この作業机の上で様々な情報を処理する働きが脳にはあり、それが前頭葉にある前頭前野という場所だそうです。つまり、脳の衰えというのは、考える、衝動的な気持ちや行動を我慢する、人との対話、新しい事を記憶する、昔を思い出すなどの働きをしている前頭前野の働きが衰えているといえます。その要因としては、歳をとるということだけではなく、社会活動に積極的に参加しなくなる、運動量の低下が大きな要因ともいえます。もっと率直に言えば「衰えるのは…使わないから」。私はこの言葉に目から鱗のような気持ちになり、『なるほど』と私の心にグッと入ってきました。因みに、何をしているときに前頭前野が使われるのかというと、「かんたんな計算」と「音読」と「他人とかかわり合っている」ときだそうです。また、歩行や運動、体操など加えると更に効果がアップ。一方で、テレビやインターネットに触れているときは、ほとんど脳は使われていないそうです。私自身、脳の衰えをストップさせるために、計算、音読、交流…どれも苦手意識がありますが、日頃から積極的に使って歯止めをかけようという気持ちになっています。皆さんもとりあえず身近な人と、いつもより少し長めの会話から始めてみませんか?

さあ、一緒にレッツ・アンチエイジング!

寄り添うこと・・・(59)

外に出ないと低栄養に?

葵会総合ケアステーション
ケアマネジャー:渡邉 泰三

厚生労働省は9月11日、2017年の「国民健康・栄養調査」の結果を公表した。引きこもりがちで週に1度も外出しない65歳以上の男性は、外へ出ている人と比較して低栄養に陥りやすい傾向にあることが分かったと報告されている。
調査は昨年11月に全国で無作為抽出した5149世帯を対象に実施。このうち3076世帯(男女総数7000人弱)の回答を集計している。
外出と低栄養の関係性をみると、「週に1度は外出する」と答えた男性の低栄養の割合は11.5%。「外出しない」と答えた男性は28.6%と大きな差があった。女性の場合、両者のパーセンテージに大きな差はみられなかった。
こうした性差について厚労省の担当者は、「男性は外出の有無が運動や社会参加の有無に直結しており、それが栄養状態に関わっている可能性がある」と指摘。「一方、女性はあまり外出していなくても家事などで体を動かしていることが多く、それがいい影響をもたらすのではないか」とみている。また、男女とも身体を動かす時間が長いほうがたんぱく質の摂取量が多く、筋肉量も多いとの結果も出ている。
個人的な感想としては、“運動する→食事がうまい”、“外出する→食事がうまい”、“結果として筋力維持→まだまだ運動できる・外出できる”という当然であり、シンプルなことを改めて大切にしなければと感じました。ケアマネジャーとして、このシンプルな好循環をご利用者自身が前向きに作り出そうとすることを期待しながら支援していきたいと思います。
運動の秋、食欲の秋、紅葉は少し先ですが、今から楽しい外出を計画してみてはいかがですか?

南禅寺~蹴上 お気に入りのスポットです♪


※参考文献
ケアマネタイムス
厚生労働省ホームページ 平成29年「国民健康・栄養調査」の結果

寄り添うこと・・・(58)

私が担当する月のブログは何故か災害時の避難に関する事が続いています。
今回もまさに6月の地震と7月の豪雨が続きました。実体験からそのとき何をしたのか?準備していた事は役に立ったのか?課題は何か?振り返りをしたいと思います。

6月の地震は京都府の南の方は実害があったようですが、北の方は揺れはしましたが被害は無かったようです。当事業所での対応は、一人暮らしで近くに家族や身寄りのいない方には被害状況の確認の電話をかけた程度でしょうか。

7月4日からの豪雨の時は増水した賀茂川を見て雨の恐ろしさを感じました。5日からは避難勧告、避難準備情報、避難指示などあちこちで鳴り続く携帯のアラームに気持ちだけ右往左往状態でした。
7月5日午後になってやっと、以前作成していた「私の避難計画」(個々の利用者毎に避難場所、緊急連絡先、配慮が必要な事項を書き出したもの)を取り出し、警報が発令された地域の住んでいる高齢者世帯、近所に家族がいない方を対象として電話をかけて状況確認をしました。しかし「何処にも行かない」「ここにいる方が安心」「どうやって避難場所まで行くの?」と言う反応。すんなり「避難する」と言った方は一人としていませんでした。「ここから避難所までどうやって避難したら良いの?」と聞かれた時は返事に窮してしまいました。
今回のことから学んだことは、「私の避難計画」のみならず、ハザードマップ上の危険区域に住んでいる方の名前をマップに落とし込んでおくことで把握が早く行えること。何より自分自身に危機感がまだ足りていなかったことを反省しています。
京都は比較的災害が少ないのですが、これからもそうだとは限りません。今回の反省点を教訓に事業所として取り組んで行きたいと思います。